喫食者と購入者の双方にアプローチ
2016年に立ち上げたオウンドメディア「ほほえみごはん」では、ホームフリージングで食材を余すことなく利用する冷凍テクニックや、冷凍食品の便利な活用方法などを中心に、旬の食材や季節の話題を取り入れた記事を発信中です。冷凍に関する多くの情報を、信頼性の高いコンテンツとして発信することを心がけています。年々PVが大きく伸びており、書籍化も実現しました。多くの方々から好評をいただいています。
──書籍を拝読しましたが、ニチレイフーズの商品情報は載っていませんね。
商品情報を紹介しない背景には、冷凍食品のパイオニア的な存在である私たちが、これまで培ってきた知見を生活者に惜しみなく伝えることで、冷凍機能をより多くの方々に役立てていただきたい思いがあります。
──ほかに課題を解決する目的で取り組んでいることはありますか?
喫食者である若年層に向けた施策を強化しています。たとえば「子どもの頃からニチレイの冷凍食品がいつもそばにあった」と思っていただけるよう、職業・社会体験施設「キッザニア東京・甲子園・福岡」のオフィシャルスポンサーを担ったり、アセロラゼリーを学校給食として提供したりしています。さらに、エイベックス社主催の高校ダンス部の全国大会「DCC(DANCE CLUB CHAMPION SHIP)」では、メインスポンサーも務めています。
加えて、商品の購入者と喫食者の双方の認知を高めることを意識しています。オウンドメディアやテレビCMは購入者向けのマス媒体、SNSなどは喫食者向けの媒体と考えており「これまでおいしく食べていた炒飯は、ニチレイの商品だったんだ」と思っていただくことを目指しています。様々なチャネルを駆使して「冷凍食品はニチレイ」というイメージを醸成し、商品購入のきっかけをつくっていきたいです。

──最後に、現在掲げていらっしゃる目標や今後の展望についてお聞かせください。
国内市場は、まだまだ開拓が見込めます。生産年齢人口の減少は深刻な社会課題ですが、働き方の多様化や働く世代の高年齢化によってパーソナルユースやおいしく健康というニーズが広がり、冷凍食品が活躍する機会はより増えていくと考えられるからです。一方、海外市場に関しては「おいしい」の基準が国や地域によっても異なるため、ローカライズしたメニューの提供に力を入れていきたいと思います。