あえてサービスをアピールせず、自然にファンの輪に入る
──チケットプレゼントは一見ペイディのサービスとは関係がないようにも感じます。投稿される話題もAAAや推しの話などサービス外のことになりそうです。
河井:この施策は、あえてペイディ自体の訴求をしないことに振り切りました。推しについて存分に語ってもらい、韓国エンタメ好きの方々に喜んでもらう。そこに自然な形でペイディが存在することで、ブランドに対する好意度が上がると考えたのです。
海宝:韓国エンタメ好きな方々は非常に熱量が高く、自分の推しをみんなに知ってほしいという想いが強いです。UGCのエンジンになるポテンシャルも期待できました。
ただし、盛り上がって終わりとならないよう、ペイディを含んだハッシュタグをつけて投稿するようお願いすることで、見た人に「ペイディって何だろう?界隈の仲間がみんな投稿している」などと興味を持っていただけるようにしました。
ハッシュタグの文言はホットリンクさんの過去の実績に基づいて、どのようなハッシュタグなら投稿されやすいかを分析して決めました。
河井:こういったキャンペーンは、いわゆる懸賞キャンペーンが好きな方の参加が多いのですが、本キャンペーンは、本当に韓国エンタメ好きな方々が参加してくださいました。
海宝:熱量の高いところにしっかり届いていることは、数値にも表れていましたね。過去最高クラスのリーチ効率と参加数を記録しました。当選発表やイベント前後には自然と「ペイディありがとう」という投稿が発生し、正しい文脈でファンの皆さんの輪の中に入っていくことの意味をあらためて感じました。
さらに今回はキャンペーンを打って終わりではなく、反応を鑑みて参加者や広告を見た人に対してサービスの利用を促す広告を配信するなど、次につながる施策を展開しました。この点にも意味があったと思います。
ペイディに興味を持ってくださっている方たちが広告を見るので、よりペイディの利用につなげやすかったのも良かったです。結果的にミドルファネルからボトムファネルまでアプローチすることができました。
漫画で無形商材の便益をわかりやすく伝える
──もう1つの事例である漫画施策についてもお聞かせください。
海宝:企業広告を見たい人はいないという前提で情報を届けるとなると、コンテンツマーケティングが効果的な手法の1つとして挙がってきます。ペイディは無形商材なので、なかなか日常の中での利用シーンをイメージしづらい面があることを考慮すると、イラストとテキストで伝えられる漫画のフォーマットは相性が良いと考えました。
最初は縦にコマが4つ続くシンプルな4コマ漫画から始め、様々な種類のフォーマット、訴求、タッチ、トンマナ、シナリオを組み合わせてTest & Learnを繰り返しながら、どのスタイルがアプローチとして最適かを探っていきました。エンタメに大きく寄ってしまうとブランドイメージが全然残らなくなってしまいますし、一方で普通の企業広告のようなことを行ってもユーザーの心には届きません。
現在は4コマ漫画とXで人気のある漫画家の方々とのコラボレーションの施策を主に実施しています。前者はサービス訴求にフォーカスしており、ペイディでできることをシンプルにわかりやすく表現しています。後者はコラボレーション相手のスタイルを活かしていただくようにしています。たとえば恋愛系が得意な方には、恋愛ストーリーの中にペイディを登場させてもらうなどです。その中で、どんな時にペイディが利用できるか、利用することによって生活がどう豊かになるかを描くことにフォーカスしています。
両方のバランスを取りながら施策を回すことで、コンテンツマーケティング全体の最適解を狙っています。
──漫画コンテンツの場合、いわゆるPDCAを回す際に何を指標にして改善を続けているのでしょうか?
海宝:定量面は広告のエンゲージメント率やリーチ単価などを定期的にチェックし、狙っている数字に届くようにしています。定性面は投稿に対するコメントの内容を見て、漫画に微調整を加えることもあります。
嶋津:同じ内容でも表現を少し変えるだけで反応が大きく変わるので、非常に興味深いです。特に目につきやすい絵柄(タッチ)については最近の流行りも鑑みて漫画に組み込んだりしています。一般的に漫画は、制作に時間がかかるコンテンツではありますが、4コマ漫画の場合はスピーディに制作・調整できるので、訴求内容や絵柄、構成など様々Test&Learnを繰り返しています。
