テレビ離れによる効率悪化を危惧、行っている3つの取り組み
MarkeZine編集部:テレビマーケティングの最適化に向けて、直近で行われている取り組みをご紹介いただけますか?
竹生:生活者のテレビ離れによるテレビCMの獲得効率の悪化が進んでおり、テレビマーケティングでは、主に3つの取り組みに注力しています。
まず1つ目は基本的なところで、テレビCMとデジタル広告の出稿配分の最適化です。以前はテレビCMが中心でしたが、現在はデジタル広告を組み合わせて、より効率的に獲得できるよう配分を見直しています。
2つ目は、テレビCMのエリア配分の最適化です。以前は全国一律でテレビCMを展開することが多かったのですが、現在はエリアごとに売上拡大の可能性を評価し、その結果をもとに出稿量を調整しています。
最後に3つ目は、テレビCMの素材配分の最適化です。以前は15秒素材を中心に出稿していましたが、最近では30秒素材を中心にするなどしています。あるシリーズでは、30秒素材を中心にすることで、1年間で獲得効率を約20%改善できました。

MarkeZine編集部:15秒より30秒尺のほうが効果が出やすいという傾向の要因について、仮説はありますか?
竹生:この傾向は、「シエロ」の複数シリーズで同様に見られました。社内で要因について議論をしましたが、一つの仮説としてカテゴリ特性によるものではないかと考えています。ヘアカラーは、購入にあたって商品理解が必要なカテゴリで、より長尺な30秒素材のほうが理解を経て獲得に繋がりやすいというものです。
一般的に15秒素材のほうが多くのGRPを出稿できるため、より大勢にリーチでき効果的だろうと考えていたのですが、実際に検証して見えてきたのは違う結果でした。
平尾:30秒素材のほうが効率が良い、という傾向は他の企業やカテゴリでも見られるケースです。「15秒素材のほうがリーチ効率がよいから」と15秒素材に比率を寄せている企業やマーケターの方々は多いですが、理解や好意の浸透という観点では、30秒素材のほうに伸びしろがあるのかもしれないとも考えます。