既存市場に新概念を上乗せできるか
法規制の緩和により宿泊ホテルやタクシーの不足が解消されたとき、恩恵を受けるのは利用者だけではない。新・スモールビジネスを支援する自治体や国での市場が増えれば、納税額も比例して増える。つまり、新たな税収の源泉という社会価値が、このプラットフォームには含まれている。徴収をオンラインで自動代行する役割が加わると、社会価値はさらに膨らむ。
人々の暮らしの近未来を想像すると、「世界中どこでも」という新概念が色濃く広がる。現法令と新概念との棲み分けをし、「世界中どこでも」の概念を受け入れて環境を整備する自治体は、ニューヨーク市を含め増えてきている。もちろん、既存事業主(ホテルやタクシー業)を守りつつ、これまで存在しなかった新サービスの市場を「上乗せで」支援するスタンスだ。
やみくもに利用者をグローバルから流入させるだけではなく、それぞれの自治体全体の繁栄につながる糸口として、グローバルプラットフォームからの納税を通じた社会還元の試み(例:Airbnbによる自治体応援サイト、Amazonによる「ふるさと納税」)を考えたい。日本における円安時期とは、見方によっては、このような流入価値や環境を取り入れられる時期かもしれない。
