博報堂は、5月31日、「博報堂富裕層マーケティングラボ」の立ち上げを発表した。
博報堂富裕層マーケティングラボは、クライアントの富裕層向けのマーケティング活動を支援し、新たなマーケティングチャンスの創出を行うプロジェクト。同プロジェクトでは、共働き・パワーカップル世帯の増加などによる新たな富裕層の出現に着目し、世帯年収1,500万円以上の生活者を「インカムリッチ」と策定。彼らの意識や価値観、行動などを調査するとともに、富裕層向けマーケティングを研究する。
第一弾では、「新富裕層“インカムリッチ”生活者調査」を実施し、様々な意識・行動について聴取を行った。
インカムリッチの51.0%が会社員
まず、世帯年収が1,500万円以上となるインカムリッチの割合を調査。その結果、インカムリッチの世帯は、全体の2.4%となった。また、性・年代別の構成比を見ると、最も多いのは男女ともに40代が15%超と最も多くなった。
職業については、インカムリッチの51.0%が会社員と回答。28.0%は上場企業に勤務と回答した。
保有する資産の8割は「現金・預貯金」
続いて、保有する資産について尋ねたところ、インカムリッチは、88.4%が「現金・預貯金」していることがわかった。
加えて、インカムリッチの4割超が「自宅の土地」や「株式」「生命保険」を保有していると回答。他にも34.8%が「投資信託」、18.9%が「貴金属・宝石類」を保有しており、全体より10pt以上高くなった。
30~40代のインカムリッチで投資意欲が高い傾向に
次にインカムリッチが持つ資産運用および投資に対する意識の調査を行ったところ、「資産運用では、短期的な利益より、中長期でのリターンを重視」「リスクを考え、資産の配分を管理」「ネット証券などを通じて自分で投資」「貯蓄よりも投資にお金を回したい」と回答した人が、全体よりも10~20ptほど多いことがわかった。
特に30~40代男性は、63.0%が「ネット証券などを通じて自分で投資」、59.7%が「貯蓄よりも投資にお金を回したい」意識しており、インカムリッチの中でも特に投資への意欲が高いことがうかがえる。
インカムリッチの約半数が「時間やゆとりにお金をかける」
次に、インカムリッチの時間や生き方に対する意識を調べると、56.3%が「健康や心の豊かさのためにお金をかけている」、50.4%が「タイムパフォーマンスを重視」、46.5%が「ゆとりを得るためにお金をかけることを惜しまない」と回答し、いずれの項目も全体より10pt前後高いことがわかる。
なお、インカムリッチの中でも子育て世帯が多い30代~50代女性でこれらの意識が高く、効率化しながら心身のゆとりのための時間を捻出することへの意欲がうかがえる。
20~30代女性の3割以上が「ご褒美消費」に意欲的
消費に関しては、全体とインカムリッチで「節約・倹約意識が高い方だと思う」という意識に対して大きな差は見られなかった。しかし、インカムリッチは「今の生活を楽しむためにお金を使いたい」と「自分へのご褒美のために贅沢をしたい」が2割近くあり、全体よりも高い傾向となった。
また、インカムリッチの中でも、特に20~30代女性は「自分へのご褒美のために贅沢をしたい」意識が3割超となり、「ご褒美消費」の意欲がより高い傾向が見られた。
【調査概要】
期間:2023年12月1日~6日
対象:全国20~69歳の男女計2,451人(世帯年収1,500万円以上のインカムリッチ1,424サンプル)※マクロミルパネルの世帯年収データおよびスクリーニング調査結果に基づき、回収サンプル全体に対してウェイトバック集計を実施
手法:インターネット調査
委託先:H.M.マーケティングリサーチ
【関連記事】
・キャッシュレス決済が60代以上にも浸透、クレジットカード決済が最多で次にQRコード【東京都調査】
・給与所得と預貯金が前年同期比で増加 約半数が景気は「悪くなる」と予想【クロス・マーケティング調査】
・TikTokにより生まれた推定消費額は1,772億円 もたらす価値を3軸で分析/TikTok調査
・「リバイバルコンテンツ」の想起度は20代男性が最多、約7割が購入経験も【ネオマーケティング調査】
・大学⽣のSNS利用率、Instagramが9年連続増加で約8割に【東京工科大学調査】