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【特集】進化するテレビマーケティング、現在の選択肢

テレビのリーチ力を活かし「利用のバリア」を解消していく。Uber Eats流・テレビCM活用術

「利用のバリア」解消のためのクリエイティブを

MZ:「利用意向の促進」という一貫した目標に対して、継続的にテレビCMを実施されてきた印象を受けました。CMにおけるクリエイティブのメッセージも変わっていないのでしょうか。

阿部:その時々の認知フェーズや利用者の心情にあわせて変えています。共通するのは、「利用のバリア」を払拭するメッセージということですね。

 たとえば、「今夜、私が頂くのは…」のCMで目指していたのは第一想起でした。「デリバリーといえばUber Eats」と思ってもらえるように、インパクトや意外性のあるペアでタレントをキャスティングさせてもらっていました。

 一方、現在放映されている「Uber Eatsで、いーんじゃない?」のCMは、さらに一段階フェーズを上げ、「デリバリーを使うことに対する罪悪感の払しょく」を目的としています。特に忙しい共働きの夫婦に対して、「デリバリーを使うことは怠惰ではなく賢い選択である」と伝えるために、どんなときなら「Uber Eatsでいい」のか、可視化するクリエイティブを制作しています。

MZ:たしかに数年前とはまったくフェーズが異なりますよね。

阿部:そうですね。おかげさまで多くの人に知っていただいているので、あとは「いかに頻繁に使っていただけるか」が課題です。たとえば、テレビ業界などで働く忙しい方はよく利用してもらっているのですが、より一般大衆化を目指そうとすると「食事は手作りしないと」という罪悪感や「手数料の高さ」も一つのバリアになってくると考えられます。このような、立ちふさがるバリアを一つひとつどうクリアしていくのか考えるのが、私たちマーケティングチーム全体のミッションです。

聴者が楽しめるWin-Winなコラボを実現したい

MZ:今後のテレビマーケティング領域において期待することはありますか。

阿部:広告を打つ側の立場としては、いかに民放テレビ局が強いコンテンツを作ってくれるかにかかっていると思うので、期待したいですし、お願いしたいですね。とはいえ、まだまだ民放がパワーを持ち、視聴率も10%程度は取れるという、日本のテレビ業界の環境は特殊です。海外に目を向けると、たとえばアメリカではケーブルテレビが主流になっています。これからも日本ならではの特殊な環境を維持するために制作に注力してもらいたいですし、そこにブランドとして積極的にコラボしていきたいと考えています。

MZ:『シティーハンター』とのコラボもありましたが、今後はどんなコラボをしていきたいですか?

阿部:コンテンツにブランドが自然に入り込むようなコラボをぜひやっていきたいですね。ドラマでUber Eats配達員の役が登場するなど、視聴者にとって違和感のない、Win-Winな取り組みができたら嬉しいです。

聴者目線でテレビとコネクテッドTVをシームレスに考える

MZ:海外では民放テレビが衰退してしまっているというお話がありましたが、今後、日本のテレビ業界も生き残りをかけた厳しい状況となることが予想されます。Uber Eatsではこれからのテレビ戦略をどのように考えていますか。

阿部:「まもなくテレビは終わる」と言われつつも、もう少し猶予があるのかなと感じています。ただ、昨今は確実にテレビとコネクテッドTVの境目がなくなってきている時代に入りました。地上波を見ているのか、TVerやABEMAを見ているのか意識していない視聴者は多いのではないでしょうか。それなら視聴者の目線に立って、「テレビスクリーンに映る広告」として、テレビとコネクテッドTVを同じ土俵で考えていくべきでしょう。だからこそ、コネクテッドTVは無視できない存在ですし、これからどう発展していくのか注視していきたいですね。

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この記事の著者

安光 あずみ(ヤスミツ アズミ)

Web広告代理店で7年間、営業や広告ディレクターを経験し、タイアップ広告の企画やLP・バナー制作等に携わる。2024年に独立し、フリーライターへ転身。企業へのインタビュー記事から、体験レポート、SEO記事まで幅広く執筆。「ぼっちのazumiさん」名義でもnoteなどで発信中。ひとり旅が趣味。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/07/09 09:30 https://markezine.jp/article/detail/45928

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