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BtoBマーケティングの打ち手を再考する

BtoBマーケティングの打ち手をどう決める?WACUL垣内さんに聞いた整理・判断の基準

 コロナ禍でウェビナーやコンテンツマーケティングなどデジタル施策の重要性が高まり、2023年以降はオフライン展示会への揺り戻しが起こるなど、BtoBマーケティングの施策のトレンドは日々移り変わっている。そんななか、流行に踊らされずに有効な打ち手を選ぶためにはどのような視点が必要だろうか。今回はBtoBマーケティングの定石について書籍執筆の経験もあるWACUL代表取締役の垣内氏に取材し、必要な打ち手を整理するための判断基準について聞いた。

BtoB事業者もマーケティングに本腰を入れ始めた

━━今回はBtoBマーケティングをテーマとした特集で取材しますが、垣内さんはBtoB、BtoCの垣根なく支援されていますよね。両方のマーケティングに取り組んでいて感じることはありますか?

 そもそも、BtoBマーケティングは特別な領域のようにいわれることもありますが、マーケティングの方法としてはBtoCと重なる点も多いです。たとえば、不動産や保険のようにBtoCの事業でも営業担当がいるようなものに関してはほぼ同じ枠組みになります。また、BtoBであってもECようなビジネスモデルであれば、これも当然BtoCのECの知見が使えます。そのため、どちらの領域も支援しているほうが、新しい知見を手に入れやすいですね。

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株式会社WACUL 代表取締役 垣内 勇威氏

 新卒でデジタルマーケティングのコンサルティング会社に入社し、ツールの開発や要件定義に従事。WACULには2010年の創業直後にジョインし、サービスの設計と顧客のコンサルティングを長年担当、同社代表となった現在も大手企業向けのコンサルティングから、知見を貯めるための研究活動、これらに付随する広報活動まで精力的に行う。著書には『デジタルマーケティングの定石 なぜマーケターは「成果の出ない施策」を繰り返すのか?』『BtoBマーケティングの定石 なぜ営業とマーケは衝突するのか?』(日本実業出版社)、『LTV(ライフタイムバリュー)の罠』(日経BP)など。

 一方、BtoB事業者の実情としてはここ近年で「デジタルマーケティングまできちんとやろうと思い始めた」段階で、ある種のトレンドになっています。デジタル専業のECや人材系の事業などでは昔からデジタルマーケティングが当然になっていましたが、コロナ禍の時期から本腰を入れ始めた企業は多い印象です。

まずは自社のビジネスを「三つの軸」で整理する

━━コロナ禍でウェビナーやコンテンツマーケティングなどデジタル施策の重要性が高まり、2023年以降はオフライン展示会への揺り戻しが起こるなど、BtoBマーケティングの施策のトレンドは移り変わっていることと思います。改めてBtoBマーケティングにおける打ち手を整理したいのですが、垣内さんは多岐に亘る打ち手をどのように整理していますか?

 「ビジネスの分類」と打ち手の対象となる「顧客のフェーズ」によって整理できると考えています。

 まず、ビジネスの分類については三つの軸で整理します。

 一つ目の軸は「ターゲットとなる企業数」。たとえば中小企業向けの製品を取り扱うなど、対象となる企業数が多い場合は、大量のリードを獲得して商談につなげる、いわゆるThe Model型のような手法との相性が良くなる。一方、対象企業数が非常に少ないビジネス、たとえば車載向け製品のようにほぼ自動車メーカーのみが対象であれば、いわゆるABM型の手法でキーマンに当たることが主要になるでしょう。

 二つ目の軸は「既存顧客リストの有無」です。BtoBは一人の顧客に何度もアプローチして商談を成立させたり、リピートをしてもらったりが基本です。リストがあればできることは多くありますが、なければリストを作る施策から始めなければならないため、大きな分岐点。「何でもかんでも新規リストを作る」では非常に非効率です。

 三つ目の軸は「顧客の商材に対する知識量」。対象の多くが商材への知識を多く持っていれば、顧客が自身でスペックを見て価値を判断するため、それを前提にビジネスをする必要があります。逆に知識が少ないと、よくわからないうちに価値を判断されてしまうため、できるだけ早く接触しなければなりません。

 これら三つが事業の分類を把握するための軸です。これだけで求められる戦略は多く変わりますが、施策という小さな単位では「顧客の購買プロセス」に応じてさらに整理する必要があるでしょう。

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この記事の著者

安原 直登(編集部)(ヤスハラ ナオト)

大学卒業後、編集プロダクションに入社。サブカルチャー、趣味系を中心に、デザイン、トレーニング、ビジネスなどの広いジャンルで、実用書の企画と編集を経験。2019年、翔泳社に入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/06/25 08:00 https://markezine.jp/article/detail/45973

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