EC上で“パーソナルな体験”を届ける
近藤:ここまでのお話から、ピーチ・ジョンは長きにわたってお客様のことを考えた取り組みを続けており、特に「通販はサイズがわからなくて不安」という声には、リニューアル後も一層力を入れて丁寧に向き合っていることがわかりました。
一方で今回のリニューアルで変えたことがあれば教えてください。
宮澤:ピーチ・ジョンの世界観にこだわれるサイト構成にしています。今まではフルスクラッチで作っていたため、細かい部分をすべて修正しようとすると、費用や手間がかかってしまいました。しかし、今はフレームを使って仕組み化することができています。
他には更新性の高いコンテンツにより力を入れることで、お客様に新鮮な情報を届けられるようにしました。
近藤:ピーチ・ジョンのサイトは「非固定化」が特徴ですよね。「レコメンド枠」だけではなく、「ファーストビュー」や「特集」「カテゴリ」などに出すコンテンツもすべて「Rtoaster」を使ってユーザー毎に出し分けられています。冒頭にお話しした「Rtoaster」が停止してしまうとサイトが真っ白になってしまう可能性がある……というのはこのためなのですが、非固定化にこだわり抜くことで、EC上でパーソナルな体験が実現されています。
レコメンドの種類は数え切れないほどに
近藤:ここで改めて、普段どのように「Rtoaster」を活用していただいているのか教えてください。
宮澤:主に3つあります。まず、マイサイズデータなどのデータを蓄積していくこと。これには行動データも含まれます。2つ目は、レコメンド機能の活用です。トップページのランキングなどに使われており、ルールベースのアルゴリズムで実現しています。3つ目は、コンテンツの表示に関わる部分です。テキストで表示するのか、バナーで表示するのか、あるいはページ内に埋め込むのかという文脈で「Rtoaster」を使い分けています。
最近はポップアップ機能の活用を進めています。流入経路別の設定や、初訪か2回目、3回目かといった訪問回数に応じた出し分けが可能です。お客様は流入シーンで知りたいコンテンツが異なるため、それに合わせたパーソナライズは必須となります。特定のユーザーにバナーを表示しないといった制御も可能になり、適切な接客を行うことができます。使い続けた結果、レコメンド数もルールベース数も数えきれないぐらい増えています。
近藤:流入経路別のパーソナライズ機能は、実は昔からある機能ですが、実際に使おうとすると、機能の細かな設定など非常に大変ですよね。新規のお客様だけでなく、リピーターの方に対しても広告を出さないといった施策は、そもそも獲得型施策とCRM施策を一連で運用している「広告運用」がしっかりと一体化させて行われているからこそ実現できていると思います。
宮澤:「Rtoaster」に関しては、マイサイズ関連のゼロパーティ系データを用いたマーケティング戦略という面ではまだまだ活かしきれていない部分もあるので、今後より一層うまく活用できるよう取り組んでいきたいです。忙しくて時間がないお客様に、その人に合った情報をお届けし、買い物を楽しんでいただけるようなパーソナライズを追求していきたいと思います。