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業種別アプリマーケ事例大全

累計会員数1,000万人超!ヘルスケアアプリ「あすけん」はなぜ愛される?マーケティング戦略に迫る

「ラーメンの汁は飲みましたか?」体験のリアルさにこだわり

──アプリ開発はどのように進んだのでしょうか?

福井:多くの管理栄養士に徹底的にヒアリングし、着眼点や指導パターンへの理解を深めた創業メンバーの道江と天辰が二人で中身を作り込みました。

画像を説明するテキストなくても可

天辰:思い出深いエピソードがあります。ヒアリングをするうち、多くの管理栄養士が対象者に共通して質問する項目があると気づきました。それは、食事の塩分量を確認する目的で聞く「ラーメンの汁や蕎麦のつゆを飲んだかどうか」です。健康管理の上で大事な指標なので、あすけんでは初期バージョンから「汁を飲んだかどうか」を選べるよう設定しました。

──管理栄養士の指導を、リアリティをもって再現することにこだわったのですね。

福井:食材の選択肢についても同様です。たとえばチキンカレーを選択すると、使われている食材がデフォルトの設定では「皮ありの鶏肉」になっています。しかし、ダイエットをしている人の多くは、カロリーの高い皮を除いて食べるなどの努力をしていらっしゃいます。そのような努力を食材の選択肢に反映することが、ユーザーのみなさんの納得感や満足感につながると考え、「皮なしの鶏肉」を選択できる設定にしました。

 これらを実現するためには、複雑なデータベースを構築する必要があり大変ではありますが、ここまで細部にこだわるところこそが、あすけんらしさではないかなと思っています。

管理栄養士が在籍する強みを生かし、コンテンツマーケを展開

──アプリのダウンロード数や会員数を増やすために、どのような取り組みをしていますか?

天辰:現状、「ヘルスケア(健康)/フィットネス」のカテゴリでは、ダウンロード数と売り上げにおいて3年連続ナンバー1(※data.ai調べ)となっており、口コミからの流入が多いです。

 また、アプリストア関連では、ASO(アプリストア最適化)を行い「ダイエット」の検索順位を10位以下から2位まで上げました。加えてAppleやGoogleの最新の仕様に合わせたアプリ開発は常に行っています。

福井:アプリストア以外の取り組みについては広告のほか、社内に栄養士チームを持つ強みを生かしてコンテンツマーケティングにも注力しています。栄養士が制作した記事や、食生活改善に取り組まれているユーザーさんを中心にインタビューした「あすけんのある生活」という記事を載せたオウンドメディアを運営しています。また、他社サイトに特集として取り上げてもらえるような情報提供も随時行っています。

──自社でコンテンツを運用できるベースがあるのは、強みですね。

福井:実際にコンテンツ経由で流入したユーザーのほうが、アプリの継続率は高い傾向にあり、熱量の高いユーザーさんの獲得につながっています。また、ありがたいことにユーザーのみなさんはアンケートにもとても協力的で、1回の調査で数万通の回答をいただくこともあります。アンケートで寄せられた声を受けて機能を実装した例もあります。

──部門ごとの連携はどのようにされていますか?

福井:弊社は職種で部門分けをしておらず、エンジニア、デザイナー、マーケターのすべてがコンシューマー事業本部に属しています。KPIの進捗やマーケティング施策など、小規模な組織だからこそ、多くを共有できていると思います。

 MAU増加のために、UI/UXの改善も常に行っています。まずはユーザーインタビューから課題や悩みを明らかにし、UI/UXの改善後は毎月モニタリングと検証を実施するサイクルを回しています。

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「#あすけんの女」月1トレンド入りのUGCが生まれる秘訣

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この記事の著者

落合 真彩(オチアイ マアヤ)

教育系企業を経て、2016年よりフリーランスのライターに。Webメディアから紙書籍まで媒体問わず、マーケティング、広報、テクノロジー、経営者インタビューなど、ビジネス領域を中心に幅広く執筆。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/08/05 08:00 https://markezine.jp/article/detail/46035

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