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業種別アプリマーケ事例大全

累計会員数1,000万人超!ヘルスケアアプリ「あすけん」はなぜ愛される?マーケティング戦略に迫る

「#あすけんの女」月1トレンド入りのUGCが生まれる秘訣

──SNSも積極的に運用されていますが、どのような工夫をされているのですか?

福井:昨年末頃からは、月1回ほどのペースで小さなバズやトレンド入りが起きています。Xの公式アカウントのフォロワーは、2024年7月現在で14万人となりました。あすけんには一日の終わりに食事内容についてアドバイスをするAI栄養士のキャラクター「未来(みき)さん」がいるのですが、フォロワーの方は、未来さんについて「#あすけん」「#あすけんの女」などのハッシュタグを付けて投稿してくださいます。

あすけんのアドバイス画面
未来さんによるアドバイスが表示された画面。不健康な食事を入力すると、未来さんが泣くことも(出典:あすけん)

福井:たとえばカロリーオーバーの食事記録を入力した際に、未来さんが涙するリアクションを受けて「今日もあすけんの女を泣かせてやった」などと投稿するポストも見られ、UGCの創出につながっていますね。ちなみに未来さんのアドバイスの生成パターンは20万通りを超えています。

──ユーザーは、アプリでもSNSでもコミュニケーションを楽しんでいるのですね。

天辰:「あすけんアプリは優しい」というお声もいただきます。アプリやLPのデザイン、未来さんの造形、寄り添うことを意識したアドバイスを含め、人肌感や親しみを感じていただける点が、あすけんの特徴かもしれません。

福井:そもそも管理栄養士は、対象者の行動を良い・悪いなどと評価することはありません。基本的には対象者の努力に並走し、認め、励ましていく存在です。ですので、未来さんも「~~をしてみませんか」と提案をするのみで、指示や評価は行いません。あくまでユーザーのみなさんがご自身で選択や決定をすることが、健康的な行動の習慣化につながると考えています。

アプリとリアルの両輪で接点を持ち、人の健康に寄与する

──アプリ課金以外のマネタイズ方法として、今後はどのような方法をお考えですか?

福井:あすけんと同じく「食を通して世の中を健康にしたい」と考えている食品メーカーさんの情報をお伝えしていく広告事業には、さらに力を入れていきたいと考えています。あすけんには健康意識の高いユーザーさんが多くいらっしゃいますので、アプリ内の広告やタイアップ企画をユーザーさんにとって有益な情報や体験になるよう、さらにブラッシュアップしていく予定です。

 たとえば、あすけんにはその方の食事の状況に応じた商品を提案する「アドバイス広告」という広告面があります。この広告面で、単に商品を訴求するだけでなく、ユーザーさんが必要なタイミングで有益な情報を得られるような仕掛けを充実させていき、自社・広告主・ユーザーの三方よしになる発信を行っていきたいと思っています。

 また、今年4月には日清ヨークさんの「毎日のむ血圧ケアヨーグルト 900g」のパッケージに、未来さんが起用されました。この時にはユーザーのみなさんにも「未来さんがパッケージに!」と喜んでいただけたので、こういったみんなで楽しめるような企業様とのコラボレーション企画にも、積極的に取り組んでいきたいです。

「毎日のむ血圧ケアヨーグルト」と未来さんのコラボパッケージ
「毎日のむ血圧ケアヨーグルト 900g」と未来さんのコラボパッケージ

──今後の展望やチャレンジについてお教えください。

天辰:まだまだ事業の幅を広げていきたいと思っています。健康産業は幅が広く、年齢でニーズが変わります。また「病気を治す」「健康な体をつくる」などの方向性によってもニーズが異なります。

あすけんが今後着手する領域をマッピングした図
あすけんが現在着手している領域をマッピングした図

天辰:当社ではダイエット目的だけでなく、筋力アップとボディメイクのための食事をサポートする「あす筋ボディメイクコース」や、妊娠・授乳期の女性の健康的な食事・体重管理をサポートする「妊娠・授乳期に!あすママコース」などのコースを提供しています。

 またアプリ以外では、リアルの接点を増やす計画をしています。「あすけんオリジナル茶碗&サラダボウル」をはじめとした物販のほか、昨年に引き続き今年も書籍を出版予定です。

 ゆくゆくは大量に蓄積されたデータを活用したビジネスも展開したいですね。ダイエットアプリの会社というイメージを持たれることも多いですが、当社はあくまでも、健康な人を一人でも多くすることを目指している会社です。アプリでユーザーさんの努力に寄り添いつつ、アプリ以外の接点も増やし、「ひとびとの明日を今日より健康にする」というミッションのもと、皆さんの健康に貢献していきたいです。

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この記事の著者

落合 真彩(オチアイ マアヤ)

教育系企業を経て、2016年よりフリーランスのライターに。Webメディアから紙書籍まで媒体問わず、マーケティング、広報、テクノロジー、経営者インタビューなど、ビジネス領域を中心に幅広く執筆。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2024/08/05 08:00 https://markezine.jp/article/detail/46035

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