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MarkeZine Day 2024 Kansai(AD)

ネスレ日本、電通デジタル、Teadsが注目する、デジタル広告に必要な「アテンション」とは?

 完全視聴率やリーチ効率など、ブランディング目的のデジタル広告に関する指標は様々あり、評価が難しい。また、生成AIの台頭により「MFA(Made-for-Advertising、広告収入を目的としたメディア)」が増加し、評価の難易度は増すばかりだ。6月に開催されたMarkeZine Day 2024 Kansaiでは、ネスレ日本、電通デジタル、Teads Japanの3社がデジタル広告の評価について議論。重要な指標となる「アテンション」を中心に、これからの広告評価やクリエイティブに必要なことを、実例を用いて紹介した。

消費者が注視しているかを問う「アテンション」が重要に

川口:今日は「MFAとアテンションエコノミーから見る、デジタル広告の評価とクリエイティブ実例」というテーマで議論すべく、ネスレ日本の西崎さんと電通デジタルの根本さんをお招きしました。

 まず調査データをもとに、広告における「アテンション」の重要性について議論します。ある調査では、消費者が1日にメディア消費に費やす時間は299分、そのうち広告に接触している時間が84分あると言われます。

 しかし、この84分のうち、アテンションにつながっている時間は9分にとどまっています。

 このアテンションが低くなっている要因の一つとなっているのが「MFA(Made-for-Advertising)」の増加です。MFAとは、コンテンツを読みに来ているユーザーのためではなく、広告のために作られたサイトを指します。MFAと分類されるサイトには広告枠が多数設置され、広告収益が最優先された結果ユーザーの体験は阻害されます。

 企業からすると、MFAの増加でリーチ単価は安くなり、インプレッションは増加するため、一見メリットがあるように見えます。しかし、実際にはMFAの広告はアテンションが集まりにくく、成果につながりにくい問題につながっています。

 このような背景から、今注目されているのが「アテンションエコノミー」です。信頼性や正確さに加えて、人の注目を集められるものかに経済的価値が移っていくことを指す言葉ですが、電通グループでは、このアテンションエコノミーに関する調査を行っているんですよね。

根本:電通グループでは、広告の評価指標としてアテンションに着目しており、グローバルでアテンションエコノミーに関する調査を継続的に実施しています。

株式会社電通デジタル 第2アカウントプランニング部門 関西事業部 チーフマーケティングプランナー 根本 逸平氏
株式会社電通デジタル 第2アカウントプランニング部門 関西事業部 チーフマーケティングプランナー 根本 逸平氏

根本:直近では、Teadsさんと共同で大規模消費者調査を行い、アテンションに影響を与える因子としてTime in View(視聴可能な表示時間)、User Choice(選択)、Creative(クリエイティブ)、Relevance(関連性)の4つを定義しました。

・Time in View:流し見されずに時間をかけて読まれる面に出る広告

・User Choice:能動的に読まれる記事の中にある広告

・Creative:目に留まる引っ掛かりを生むクリエイティブの広告

・Relevance:広告と配信面の関連性が高い広告

 これら4つの要素があると効率よくアテンションを獲得でき、態度変容につながりやすいことが調査でわかりました。そしてこの4つの因子を兼ね備えたプラットフォームがTeadsです。

ファネル単位ではなく「循環」させることを前提にして設計

川口:続いて、ネスレ日本の西崎さんにお伺いします。様々なデジタルの評価指標に関して、どのようなお考えで設定されていますか。

西崎:弊社ではブランド・キャンペーンの内容によって指標の設定を変えています。基本的には「Consumer Experience Map」に則り、「消費者の体験に沿う形で」指標を設定します。

 よくEncounter(出会い)、Consider(検討)、Purchase(購入)、Use(使用)というファネルで考えられることが多いと思いますが、弊社ではこれをファネルではなく「循環させる」ことに着目しております。

ネスレ日本株式会社 マーケティング&コミュニケーション本部 媒体統括室 メディアスペシャリスト 西﨑 育男氏
ネスレ日本株式会社 マーケティング&コミュニケーション本部 媒体統括室 メディアスペシャリスト 西﨑 育男氏

西崎:ブランディングキャンペーンの場合は特に、Encounter、Considerが中心になるため、基本的にはコミュニケーションターゲットに対してのReach & Frequencyの獲得と効率化に着目します。また、基準を満たさない広告投資キャンペーンは無駄であるという考え方で、選択と集中をしています。

 現時点ではViewableとBrand Safetyが担保されたImpressionとView が重要だと思っており、またReceptivity(受容性)も重要視しております。消費者のモーメントをとらえ、その瞬間に見ている人にターゲティングできることが一番重要です。

認知だけでなく、態度変容を狙えるクリエイティブとは?

川口:お2人から広告評価に重要なアテンションという指標と、ファネルを循環させる考え方をご紹介いただきました。ここで、アテンションという指標に効果的で、ファネルの循環をサポートするプラットフォームとしてTeadsを紹介させてください。

 Teadsはプレミアムサイトの記事中に広告枠を設けて配信を行うインリード広告のプラットフォームです。ユーザーが能動的に記事を読みに来るWebサイトに広告が配信されるため、広告がスクリーン上に表示されている時間が長くなり、アテンションを獲得しやすいということが特徴となります。

 また、最近ではコネクテッドTVへの配信も対応しています。たとえば、キャンペーンが始まる山場では、インパクトの大きなクリエイティブ、あるいはコネクテッドTVを活用したリーチの最大化をしていくことが可能です。

 リーチを最大化した後は、自発的な視聴を促すクリエイティブやデータの活用を通してキャンペーン内容の理解を促進。サイト送客後の滞在時間、回遊率など、質の高いクリックを促す、マルチファネルでのサポートを行っております。

 また、Teads Studioというクリエイティブ制作のソリューションも無償で提供しているため、フェーズやターゲットに合わせたクリエイティブが簡単に用意できます。

消費者が関心を持つ「タイミング」と「場所」を見極めてメディアを選定

川口:少し前には、ネスレ日本の「PURINA ONE」というブランドでもお取り組みをしておりますので、その事例の効果実感、狙いなどを西崎さんよりお話しいただければと思います。

西崎:PURINA ONEは、猫の健康を第1に考えたプレミアムキャットフードブランドで、ペット専門栄養士が提唱する「ペットの健康に必要な<健康6要素>」を満たすフードとして展開しております。

 また健康6要素に加え、猫の健康を守るのに1日にコップ1杯程度の水分を与える必要があると言われております。ただ、猫が自然と水分を摂るのは難しいため、1日の食事の中でウェットフードとドライフードを組み合わせた食事方法、ミックスフィーディングを推奨しております。これらのファンクション面を中心に訴求したいと考えました。

 Teadsさんとの取り組みでは、Teads Studioでクリエイティブを制作しました。そしてメディア選定ではReceptivity(受容性)を重要視し、消費者の生活の中で、私たちが伝えたいメッセージに対して特に関心を示してくれる時や場所を見極めました。

 その結果、過去の施策と比較して広告のビューアビリティは223%アップ、LPへの送客も過去の施策と比較して121%アップしております。態度変容に関してもリフト効果が見られました。

媒体の横比較に有効なCPBという考え方

川口:続いて、関西の広告主様のペイド・オウンド・アーンド問わず各種のメディアプランニングに従事している根本さんから、Teadsをどのように評価いただいているのかお話しいただきます。

Teads Japan株式会社 Senior Sales Director 川口 瑞浩氏
Teads Japan株式会社 Senior Sales Director 川口 瑞浩氏

根本:女性誌系サイトなどの優良な記事面を中心に、高度なコンテキストターゲティングをできるのがTeadsさんです。ネスレ日本様の例でもあったように、インリード広告は質の高い広告枠に掲載できるため、注目が集まります。商品名を覚えてもらうだけではなく、その先の特徴理解まで効率よくできる媒体がTeadsさんだと考えています。

 似たような発想の他媒体もありますが、Teadsさんは圧倒的にインプレッションの在庫があるのでCPMの面でも有利です。また、各種SNSなどのプラットフォームでは取りこぼしてしまっているところにもリーチできるのも魅力だと思います。

 また、Teadsを活用する際はCPB(Cost per Brandlift:1人当たりの態度変容単価)を踏まえた評価をおすすめしています。これまでの媒体と横比較したとき、完全視聴単価ではTeadsよりも評価の高い媒体はあるものの、態度変容のコストで見るとTeadsが一番良いパフォーマンスが出るためです。

 クリエイティブごとにCPBを出すこともできるため、バリエーションを変えながらPDCAを回すことができます。もちろん、毎回結果が出るとは保証できませんが、今まで多くのキャンペーンにおいて打率が高かったためおすすめできるものだと思っています。

川口:ありがとうございます。CPBは調査費用を抑えて媒体を横比較できるわかりやすい指標なので、ぜひTeadsを活用される際は参考にしていただければと思います。

 Teadsは、オムニチャネルでユーザーの動線に合わせて配信させていただく中で、最近はコネクテッドTVが業界内で話題となってきています。特に国内のLGテレビのホームスクリーンはTeads独占配信となっております。リーチの最大化、若年層へのリーチ、インパクトの高さを鑑みて、インリード枠に加えてコネクテッドTVをお使いいただくケースが増えています。

 またオフライン広告の素材との連携も、実は行っています。3D感のあるビルボードと連携し、インリード広告でも3D感を演出し、オフライン・オンラインそれぞれで配信させていただきました。

アテンションの取れる媒体としてのTeads

川口:では、本セッションのまとめとして、「デジタル広告費が増加を続ける今、メディア戦略や選定は今後変わっていくのか? どう変えていくべきなのか?」についてお2人に伺います。根本さんからお願いします。

根本:Teadsさんも魅力的な媒体だと思っておりますが、世の中のテクノロジーの進化に対応するべく、たとえばID-POSとつないで、最終的にリテールで買われたどうかの購買検証が、一定の母集団でできたらいいなと思っています。

 また、これは電通グループも含めて議論すべきところですが、デバイス別のアテンションの指標が業界標準でできるようにしたいですね。似たような媒体メニューが出てくる中で、引き続き良質のインプレッション在庫を抱えてもらうことも期待しています。

川口:弊社も西日本のマーケットを重視していますし、去年から人員も強化しているので、より良い提案ができるよう協力したいです。

 西崎さん、いろいろな評価の仕方や事例をお話しいただきましたが、今後に向けて考えていらっしゃることを最後にお話しいただけますか。

西崎:アテンションという指標は、弊社も今注目しているところです。これまでは、ここまでの計測をなかなか実施できるプラットフォームがなかった中で、先行してTeadsさんが提供されています。弊社としてもまた取り組みができればと思っています。

 TeadsのオムニチャネルプラットフォームではCTV、アテンション、高度なコンテキストターゲティング、質の高い広告枠への広告配信、美しい広告クリエイティブ制作を提供しています。本記事でご興味をお持ちになられました際にはTeads Japan Sales Team までお問い合わせください。

お問い合わせ先:sales-jp@teads.tv

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この記事の著者

落合 真彩(オチアイ マアヤ)

教育系企業を経て、2016年よりフリーランスのライターに。Webメディアから紙書籍まで媒体問わず、マーケティング、広報、テクノロジー、経営者インタビューなど、ビジネス領域を中心に幅広く執筆。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:Teads Japan株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2024/08/27 10:00 https://markezine.jp/article/detail/46039