1st Party Dataの質と量(Meta/Google)
Meta
Metaについては、「【2024年6月更新】主要ソーシャルメディアのユーザー数まとめ」の数字によると、Instagram:6,600万人(2023年11月時点)、Facebook:2,600万人(2019年7月時点)だ。ここには一部重複ユーザーもいるはずだが、日本に7,000~8,000万人のユーザーがいる。
ただし、必ずしもクレジットカード情報など本人特定できる情報を充分には持っていない。1st Party DataのID数は多いがその質は悪いことになる。そして、アカウントIDやcookieIDなどでトラッキングする手法は、今後、Personal AIとIoT広告の時代には、通用しなくなる。本人の特定が重要になっていく。そこが課題だ。
そして、Googleだ。「レガシーネット広告モデルのプラットフォーマー」に陥落した。1998年の創業当時からGoogleを使ってきた私には、とても残念なことではあるが、GDPRの狙い通りだ。「月間アクティブユーザー数で見ると、Googleが約7,000万人、Yahooが約8,000万人いる」(引用:「GoogleとYahoo!の違いとは?特徴・表示項目の違いを解説」)と言われている。
Googleは自社の1st Party Dataと、3rd Party Cookie/Dataで収集した大量のデータに基づいて、AIでユーザー属性を推定してきた。性別・年齢・興味関心・居住地などのデータを、本人確認しなくても、高度なAI技術で高い推定率を誇ってきた。この推定技術の高さは業界のお墨付きだ。
ただし、GDPRの狙いはこれを破壊することであって、2025年以降の3rd Party Cookie廃止によって、ターゲティング精度が落ちる。Googleは大量の検索履歴データを持っているが、検索エンジンの理想は滞在時間が短くて、すぐに探している情報が発見できることであるため、Google検索の中で繰り返し検索させることをGoogle自体が良しとしていない。そのため、できるだけ瞬時に検索結果ページから他のサイトに遷移させることが大事で、滞在時間の短いGoogle検索履歴データだけで様々なユーザー属性を推定するのには限界があり、その結果として、3rd Party Cookie/Dataに依存してきた。
Androidのシェアは、「Androidは30.6%とiOSに比べると半分以下のシェアに留まっており、2022年6月と比べると、35.1%から30.6%へと4.6%シェアが縮小しています。4.6%というと小さく見えるかもしれませんが、その縮小率は約13%とかなりの大きさとなっています」ということだ(引用:【2023年8月】日本とグローバルのスマホOSシェア|iPhoneとAndroidの比較を中心にご紹介)。
仮に日本のスマホユーザーが1億人なら、Androidユーザー3,000万人程度、その全てがGoogle PayかWalletでクレジットカード情報を登録していたとしても、多くても3,000万人ということになる。つまり、Amazon4,729万人、Microsoft5,400万人(カスタマーマッチ配信で利用可能なユニークユーザー数)、「Microsoft Teams」利用者数1億1,500万人、などには遠く及ばないのが現実だ。
注:「Microsoft Teams」利用者数1億1,500万人は、法人アカウントと個人アカウントを含む延べ契約数のはずだが、それぞれのアカウントにクレジットカード情報を登録しているため、質は高いと考えられる