AIをデジマに組み込む──日立ソリューションズが考える、デジタルマーケティング
渡邉:AI/生成AIは、当社が提供するデジタルマーケティングソリューションにも活用しています。具体的な紹介の前に、まず私たちが考えるデジタルマーケティングの考え方を説明させてください。
近年は、スマホの普及やソーシャルメディアの発展、ECの一般化のほか、モノやサービスの多様化により、お客さまの消費行動にデジタルが密接に関わるようになってきました。
そのため、お客さまデータの収集からアクションまで、マーケティングにおけるデジタルの活用が求められています。チャネルを横断してお客さまを「個」として認識し、データでお客さまの行動を捉えて顧客理解を深める必要があります。
渡邉:したがって、お客さま一人ひとりの興味・関心にあった、最適なアプローチをすることが重要です。ニーズにあった情報を提供しないとカスタマーエンゲージメントの低下につながります。
渡邉:デジタルマーケティングでは、カスタマーエンゲージメント向上のためにPDCAサイクルを回していくことが重要です。
そのためには、会員サービスやロイヤルティプログラムを通じて収集したデータを活用します。会員属性や行動データなどを集め、分析することで、お客さま一人ひとりに合わせたオファー(メッセージやインセンティブ)を作成し、スマートフォンアプリや会員ページなどのデジタル接点を通じてお客さまに届けます。
このようなOne to Oneのオファリングを実現するソリューションのひとつとして、当社が展開するデジタルマーケティングソリューション「PointInfinity(ポイントインフィニティ)」があります。
One to Oneを実現する「PointInfinity」とは
渡邉:「PointInfinity」は会員・ポイント管理を中心としたお客さまとのつながりをつくるマーケティング統合型CRMです。ポイントサービスを含むロイヤルティプログラムの提供から、AI分析・効果測定、One to Oneコミュニケーションなど、デジタルマーケティングのPDCAプロセスをオールインワンで提供し、カスタマーエンゲージメント向上を実現します。
また、早くから高度なAI予測に取り組んでおり、お客さまが離脱する前に予兆を検知し休眠顧客化をAIで防げるほか、お客さまへのおすすめ商品をAIが自動予測することが可能です。
生成AIを用い、レコメンドを強化
矢田:お客さまへのおすすめ商品をAIが自動予測するレコメンド機能では、数百万人規模の会員の購買履歴や属性情報をもとに、AIを用いてどのような人がどのような商品を購入しやすいかを予測します。この予測結果をもとに、クーポン送付など購買につながるような施策と組み合わせることで、お客さまの購買を促進します。
矢田:これらの機能に加え、最近では生成AIの技術を活用し、新たな取り組みを始めようとしています。従来のレコメンドでは、単に商品を推奨するだけでしたが、生成AIを活用することで、なぜその商品がおすすめなのかを説明する文章(レコメンド文)を生成できます。
矢田:具体的には、キャッチーな文言とともに、その商品がおすすめである理由を文章化し、クーポンに添えて提示します。これにより、お客さまの購買意欲が高まることが期待されます。まだ検証段階ではありますが、2024年3月に開催されたリテールテックJAPAN 2024で参考出展いたしました。
AI/生成AIの利用状況を知る
日立ソリューションズは企業のビジネスパーソンに、AI/生成AIの利用状況・企業における活用状況を調査。その結果を公開中です。詳しい調査結果と、わかりやすい図説を載せた特設ページは、こちらからご覧ください。