※本記事は、2024年8月刊行の『MarkeZine』(雑誌)104号に掲載したものです
社会価値創出につながる事業推進の在り方とは?
─ 自社の資産を“人材”と定義しアクセンチュアが注力する企業市民活動 事業成長と両輪にする仕組みを聞く
─ LIFULL HOME'S「FRIENDLY DOOR」に学ぶ、社会課題を事業に落とし込むヒント
─ ユーザー・小売・メーカー、誰にとっても便利なリユースを目指すLoopに聞くパートナーシップの重要性
─ 社会課題への関心が高いリスナーに自然な文脈で自社の活動を届ける J-WAVEの番組スポンサード(本記事)
─ 単純なSDGs訴求で生活者は動かない、CSV視点で考える「届く情報発信」
─ 「パーパス買い」はある?博報堂買物研究所が解説する生活者の購買意識
社会課題に対する関心が高いリスナー
──J-WAVEでは番組やイベントなどを通じて、社会課題に関するトピックを精力的に発信し続けていらっしゃる印象です。
SDGsが国連総会で採択されるずっと前、「エコ」という言葉も今ほど浸透していない1988年の開局時から、より良く暮らすためのライフスタイルのヒントや、環境問題に対する海外の取り組みなどを発信してきました。発信だけではありません。植物の種子を配って東京の街に緑を増やす「GROW GREEN PROJECT」や、毎月1日にグリーン電力を使用して番組を放送する「GREEN CASTING DAY」などのアクションも、2000年代にスタートしました。積極的な活動の甲斐があり、J-WAVEには社会課題に対する感度の高いリスナーが数多く集まっています。
──J-WAVEには社会課題に高い関心を寄せるリスナーが多いとのことですが、リスナーの属性を詳しく教えていただけますか?
長年聴き続けてくださっているリスナーが多いため、40代以上の割合も増えてきました。このことは、企業の経営者層や決裁権をお持ちの方が多いことを意味します。親世代と一緒に幼い頃からJ-WAVEを聴いてくださっている若年世代も多く、彼らは社会課題に対する意識が高いように感じます。そんな世代にも参加してもらうための工夫として、大学生・専門学生コミュニティ「J-WAVE WACODES(ワコーズ)」を運営しています。月に1度の定例会におけるディスカッションのほか、番組出演や特別番組の企画、イベント参加などがWACODESの主な活動内容です。
──昨今、より豊かで持続可能な社会の実現が企業・マーケターに求められています。J-WAVEの番組に協賛するスポンサー企業からも、そのような意識は感じられますか?
感じます。J-WAVEでブランデッドポッドキャストを制作・配信させていただいているEarth hacks様は、CSVを体現する代表的な企業と言えるのではないでしょうか。2023年に博報堂と三井物産が共同で設立し、共創型プラットフォーム「Earth hacks」を通じて、環境に配慮した商品・サービスのほか、CO2e(※)の削減率を示す「デカボスコア」を企業・団体向けに提供されています。
※CO2相当量に換算した値のこと
また、毎週土曜の14時から放送している『ENEOS FOR OUR EARTH -ONE BY ONE-』を提供していただいているENEOS様も、水素・カーボンニュートラル燃料の実用化によるエネルギートランジションを推進するほか、環境配慮型のサービスステーション「ENEOSプラットフォーム」を展開するなど、SDGsへの取り組みを強化されています。
社会課題に対する生活者の意識が全体的に高まっていることもあり、イメージ向上だけを狙った企業の姿勢は簡単に見透かされるようになりました。Earth hacks様やENEOS様をはじめ、意義深い事業を推進されている企業は数多くあります。事業の背景にある社会課題への深い理解を促し、取り組みの存在や意義を正確に伝えるためには、言葉の力が不可欠です。瞬発的な広報ではなく、人の心の奥深いところに継続的に訴えかけるという点で、ラジオができることは多いと考えています。