何を買いたいか分からないユーザー
次に、モチベーションが低い客をつかまえる場合はどうだろうか? 単ワード「スイカ」で検索してきたユーザーは、スイカの産地が知りたいのか、スイカ化粧水について知りたいのか、それともスイカの話題全般を探しているのかは分からない。またはJR東日本のSuicaの事かもしれない。
前述のように、目的意識がはっきりしたユーザーは、買いやすくしてやれば購入する。だが買いたいのかどうか目的がキーワードで判別できない、欲求の曖昧な客には、黒玉スイカが一般のスイカの中でも高級な品種であることを認知させたり、「今だけ特典付き」などモチベーションを引き出す工夫をする必要がある。また、「カリウムを多量に含んでいて利尿効果が高いと言われており、むくみを軽減する可能性がある」「皮まで甘い」など、付帯情報を多く訴求してやると良い。
つまり、LPOだから目的以外の情報を全て削ぎ落とす必要があるのかというとそうではなく、ユーザーの欲求の強さによるのである。目的が曖昧なユーザーの場合にはある程度のボリュームの付随情報を用意し、権威づけや商品情報の厚みづけを行うのが効果的である。これは街の市場でも同じことで、冷やかしで来た客に対して試食させ、いかに甘いかを理解させ、高級品種なのに安いが今時はメロンより喜ばれるし、まだまだ珍しいなどの付加価値を付け加えることで、別の果物を買おうと思っていたユーザーの欲求をスイカへ変換させることも可能である。
このような情報量の多いLPOの場合、どの訴求がなぜユーザーにヒットしているのか分かりづらい点が多い。最初から情報のボリュームを絞らず、あらゆるパターンを試し、LPOツールなどで、検証・最適化していくと良い。もちろん、情報が多くてもランディングしたユーザーが迷わず購入に至れる導線は必須である。
キーワードから顧客のモチベーションの強弱や意味を読み解き、LPOに活かすことで、さらにコンバージョンを高められるだろう。まだ上記のような出稿計画を立てたことが無いようであれば、試してみてはいかがだろうか?例えどちらに転ぶにせよ、必ず何らかの答えが見出され、コンバージョンアップへの礎となるはずである。