クライアントへの営業にも変化が。既に感じている2つの進化
Meta水谷:「Metaパフォーマンス室」を新設したことにより、どのような変化がありましたか?
オプト西森:一番わかりやすい変化で言うと、新規のお問い合わせは増加しています。
オプト黒沢:そうですね。営業がお客様とコミュニケーションする際も、Meta広告に強いことをわかりやすく説明できるため提案しやすいようです。他にも、既に定性的な面で2つの変化を感じています。
1つは、社内のMeta広告に対する専門性が今まで以上に深まったことです。「Metaパフォーマンス室」を新設したことによって、「Meta広告に対する専門性を高める」という明確なメッセージが全社的に伝播され、活動がよりシャープかつ具体的になってきました。「Metaパフォーマンス室」のSlackチャンネルには100名ほどが参加していますが、日々専門性の高いディスカッションが交わされ、メンバーにナレッジが蓄積されています。このような特定媒体における専門性は、オプトの競争優位性や差別化につながるはずです。
もう1つは機動力の高さです。機能別組織の壁を取り払い、全員が運用者でありながら、プランニングやクリエイティブ制作もするチームを作ったことで、コミュニケーションや意思決定のスピードがアップしました。ともなって、広告運用におけるPDCAサイクルも速まり、結果的に従来の縦割り組織より情報流通量が多く、機動力の高い組織となりました。
独自指標「カチア度」で、クリエイティブと運用をつなぐ
Meta水谷:「Metaパフォーマンス室」での具体的な取り組み事例があれば教えてください。
オプト西森:Metaパフォーマンス室ならではの取り組みとして、社内で「カチア度」と呼ばれる独自指標をつくり、広告効果を検証しています。
これは「新規入稿クリエイティブのうち何本が、従来のクリエイティブより良かったか」を、配信量やコンバージョン総数などの観点から定義した独自指標です。効果的な新規クリエイティブを積極的に発掘しようという考えのもと、クリエイティブと運用をつなぐ共通指標が生まれました。
代理店としては、同じクリエイティブで配信し続けたり、似たようなデザインで更新をかけたりするほうが、単純に楽なのかもしれません。しかし、それでは新たなユーザーにはなかなか出会えません。
Metaとしても、「常に新しいものをユーザーに届ける」というプラットフォーム側の思想があるはずです。このオプト独自の指標は、Metaの思想を運用現場に反映させる指標でもあると考えています。
カチア度を軸にPDCAを回すことにより、成果を出せる新規クリエイティブ本数が増えてくると、全体のCPA改善にもつながってくるのがおもしろいところです。ここには相関性があると思います。効果のあった既存クリエイティブは活かしつつも、手を緩めずに新しい表現を模索し続けたいです。
Meta水谷:それはMetaとしても興味深い指標ですね。Metaでは、AIによる広告配信の自動最適化が進んでおり、クリエイティブこそがターゲティングという世界観になりつつあります。
独自指標を導入した案件では、おそらく成果率の手前にある、新規ユーザーへのリーチ率も高くなるのではないかと推察します。広告主企業にとっても大きなプラスになっていそうです。
オプト西森:まさに、その通りです。たとえば、「定期購入」を訴求したいクライアント様の案件では、新規ユーザーに商品をリーチし続ける必要があります。実際に、定期購入を訴求する中で「既存ユーザーに効果的なクリエイティブは見つかったものの、新規ユーザーのCPAはなかなか下がらない」というケースがあったのですが、独自指標であるカチア度によって改善され始めています。