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第106号(2024年10月号)
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Next Leaders' Hint

王道なきマーケターのキャリアプランニング 大手企業を辞め独立した若きエースたちの持論【後編】

自信を持ちつつ総合力を磨いて

田岡:最後に、若いネクストリーダーに向けてアドバイスをお願いします。

木村:めちゃくちゃ自信を持っていただきたいです。僕は今38歳ですけど、10年前に僕が戦っていた市場よりも今の市場は圧倒的に困難なんですよ。デジタルにも精通しなければならないですし、ブランディングのことも同時に考えなければなりません。これほど複雑かつシュリンクもしている市場の中で、マーケティングに一生懸命取り組んでいること自体を、まずは誇ってほしいです。

 これは僕個人の考えですけど「こんなマーケタ―になりたい」「こういうキャリアを歩みたい」という将来像が明確に決まっていないなら、能力を示す五角形をできるだけまんべんなく広げて、総合力を高めることをおすすめします。5年後とか10年後にどういうマーケターが市場で価値を発揮するかわかりませんし、マーケタ―に求められる資質は時代とともに変わっていくべきだと考えています。であれば何かに特化して一生懸命やるよりは、自分の仕事に直接関わるテーマではなくても本を読んで勉強してみたり、話を聞いてみたりしておくのが得策なんじゃないでしょうか。30代からスペシャリストを目指しても遅くはないので。

田岡:木村さん自身も若手の頃は総合力を高めようと意識されていたんですか?

木村:営業からキャリアをスタートしたので、そういう意味では満遍なくスキルを磨いてきたほうだと思います。ユニリーバ時代、僕はどちらかと言うとロジカルに数字をつくりたい人間でしたけど、一方でクリエイティブ領域にも関心があり、書けないコピーを書いてみようとトライしたこともありました。独立した今もBtoBのマーケティングを学んでいますし、いい歳になった今も総合力を求めているんですが(笑)。

田岡:最近、20人くらいの規模でマーケティングゼミのようなものを開いているんですが、参加者のほとんどがマーケターとしてのキャリアプランにすごく悩まれていて。「デジタルの領域しかやってこなかったから、戦略がわからない」「ブランディングはわかるけど、デジタルはわからない」という方々が、マーケターの生存競争をサバイブできるか不安になっているんですよね。だから総合力を高める意義については全面的に同意します。

 僕からは、心に従うことをおすすめしたいです。自分が「やりたい」と思うことに、これまで培ってきたスキルが掛け算されれば、一生懸命やってきたことが実を結んで花が開くんじゃないかと思っていて。僕自身がプロダクトドリブンで転職を重ねてきたので「このブランドの良さを伝えたい」「このプロダクトで世の中を前進させるんだ」と思えた瞬間、悩みが吹っ飛ぶくらいいろんなことができるようになると感じています。

木村:いいですね! 心に従う。

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この記事の著者

渡辺 佳奈(編集部)(ワタナベ カナ)

1991年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部を2013年に卒業後、翔泳社に新卒として入社。約5年間、Webメディアの広告営業に従事したのち退職。故郷である神戸に戻り、コーヒーショップで働く傍らライターとして活動。2021年に翔泳社へ再入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/10/30 08:30 https://markezine.jp/article/detail/46771

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