累計買取10億枚超え!レシート買取アプリ「ONE」
WEDが提供するレシート買取アプリ「ONE」は、ユーザーの買い物レシートを1枚1円以上から買い取るサービスだ。“レシートを撮影するだけ”という手軽さから、毎月多数のレシートがアップロードされ、累計レシート買取枚数は10億枚を超えている。同社は、この豊富な購買データを活用し、マーケティングソリューションを幅広い業界に提供している。
まず新井氏は、マーケティングにおける購買データ活用の課題をひも解く。「やみくもに商品を販促するのではなく、お客様に選ばれる商品を作って届けるために、購買データの活用が非常に重要」と新井氏。
購買データを通してマーケターが知りたいのは、「顧客の購買傾向」「競合の状況」「市場のトレンド」等である。
購買データにも様々な種類がある。代表的なものには、クレジットカード等の決済データやPOSデータ、パネルデータ、会員カードに紐づく情報が挙げられる。データの種類によって得られる情報に違いがあるため、それぞれの特徴を把握してマーケティング活動に活かすことが重要だ。
とはいえ、限られた予算の中でどの購買データの収集に注力するかは悩ましい。「誰が何をいつ買った」という購買行動全体を完全に網羅したデータは世の中どこを探しても見つからない。「こうした課題に対して価値を発揮するのがレシートデータです」と新井氏は説明する。
レシートデータから何がわかるのか?
レシートデータからどのような購買行動が見えてくるのか。新井氏は、あるONEアプリユーザーのモデルを基に解説した。
たとえば、会社員の山田さんは、出社前にカフェで400円のホットコーヒーを買うのがルーティンになっている。電子マネーで購入した場合、決済サービスにもデータは残るが、「どこで・いくら使ったか」というところまでしかわからない。しかし、レシートデータなら「何を買ったか」まで把握できる。
さらに、山田さんが会社帰りにスーパーで夕飯を購入した場合、パネルデータでは追い切れない項目もある。生鮮食品やプライベートブランドの商品などは、JANコードが紐づいていないこともあるからだ。レシートデータであれば、どの店舗でどんな商品を選んだか詳細に捉えることが可能だ。
このように「レシートデータでは消費者の実際の購買行動を詳細に、かつ店舗や購買チャネルを横断して一元的に捉えることができるメリットがある」と新井氏は述べる。
ただし、レシートに記載されている情報はそのままでは扱うのが難しい。画像認識(OCR)で正しく文字を読み取るには技術が必要だ。また、同じ商品項目でもレシートの表記は店によって異なるなど、複雑性が高い。
そこでWEDでは、レシートデータからマーケティングに使える情報を抽出するために独自のOCR基盤と機械学習モデルを開発。複雑なレシートデータを生成AI技術で整理することで、大量のデータを扱えるようにしているという。