アドフラウドの判断はどう行う?プロが教える3つの軸
ここまで、アドフラウドの実態や被害内容について説明してきた。次に加隈氏はアドフラウドへの対策方法について、「クリックログを確認すればいいが、その中でチェックすべきポイントはいくつかある」と解説する。
チェックすべき項目は、「ネットワーク軸」「デバイス軸」「流入元軸」の大きく3つに分けられる。
「ネットワーク軸」では、IPアドレスの重複やデータセンター・VPN・プロキシサーバーを経由している一般ユーザーであるかどうかをチェックする。
「デバイス軸」では、ユーザーエージェント情報を見ると良い。偽装されていないか、もしくはBotやクローラーではないかをチェックする。他に、ブラウザ情報、端末の言語設定・メモリ容量、スクリーンサイズなどをチェックすることも必要だ。また、「流入元軸」では、ドメインが偽装されていないかをチェックする。広告媒体側で把握するドメインでは一般ユーザーを装っており、リファラー(参照元)にある実際のドメインと異なる場合も多いという。
加隈氏は「これでもチェックすべきポイントの一部」と述べる。つまり、現実的には人間がクリックログをすべて確認していくことは工数的に難しい。そのため、「アドフラウド」の対策には専門的なツールの導入を検討する企業が多いのだ。
アドフラウドを自動で検知・ブロック 費用対効果を見える化
では、アドフラウドの対策ツールとはどういうもので、何が可能なのか。セッションで紹介された「Spider AF」はSpider Labsが提供する国産の対策ツールで、アドフラウドのクリックを全自動で検知・ブロックできるプロダクトだ。「使い方は非常に簡単」と加隈氏は自信を持って話す。
「Spider AF」は、LPページとCVページに「Spider AF」のタグを設置すれば、クリック・CV情報が自動解析され、媒体ごとのクリック数や被害数がわかる仕組み。NGな広告配信データはブラックリスト化されるほか、GoogleやYahoo!などの主要広告媒体とのAPI連携や、SNS、DSPなどのオーディエンス除外の機能によって、アドフラウドの自動ブロックまで可能となる。加隈氏は「国内で展開されているほぼすべての媒体に対応できる」と強調する。
「Spider AF」の特長の一つとして、透明性の高い無効アクセスダッシュボードが挙げられる。任意の期間内や日別での無効クリック件数、割合、種類が一目でわかる仕様だ。また、広告メニューごとの無効クリック発生状況、無効クリックのローデータも全件開示され、ダウンロードもできる。費用対効果は「コスト削減の見込み額」が具体的に表示されるため、納得感を持って使い続けられるだろう。
「『Spider AF』では、無効なトラフィックを自動で検知・ブロックすることにより、従来無効トラフィックだった予算を、有効なトラフィックに再分配できます。無駄な予算消化を減らし、プロモーションの最適化を実現できるでしょう」(加隈氏)