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MarkeZine Day 2024 Autumn

生成AI時代のBtoB×コンテンツマーケはどうなる?トヨクモ・ウイングアーク1stから学ぶ勝ち筋


AIとマーケターの役割分担

 一方トヨクモでは、AI活用については道半ばだと中井氏は話す。2024年はAIで作ったカスタマージャーニーをもとに顧客インタビューを実施し、コンテンツ化するトライアルを始めているという。顧客インタビューをもとに制作したコンテンツ・UGC数は300を超える。AIと顧客インタビューで顧客解像度を高めることができるため、AIにデータの成型、分析、アイデア出しをさせて効率化を図っている。

 セッションの終盤、ウイングアーク1stの野島氏は、近視眼的な些末な話と最初に伝えた上で、AIのクセによる使い分けについて話した。

 たとえば、取材を記事にするとしたとき、全体の概略が得意なChatGPTによりタイトルやコンセプトを決定する。ファイルの読み込み進度が深いClaudeでデータの読み込みや整理、要約を行う。最後に質問の分解、提案の細かい粒度が得意なGeminiで質問の骨子を作成するなど、AI生成ツールのクセを知ることも重要だ。

 またウイングアーク1stのオウンドメディア「データのじかん」のコンテンツを参考に記事執筆できるGPTsを社内ツールとして開発。「すぐ、誰にでも80点のコンテンツが作れる時代になった」とも語った。これにより、将来的にはAIですべて解決されそうとも言える。投資コストは今のところ小さいため、AIで最終アウトプットまでの途中過程を効率的にしてくれるのが魅力だ。

 しかし、AIツールの活用以上に重要なのは、まだデータや形式知になっていない情報を引き出す取り組みとAIの組み合わせだ。実際の顧客インタビューや現場取材を通じて得られる生の声、業界の潜在ニーズ、N=1の事例こそが、差別化されたコンテンツの源泉となる。こうした顧客との直接対話から得られる質的データや、行動観察から見出される洞察は、AIだけでは創出できない価値を生み出すとともに、AIをさらに活用するヒントにもなる。

 質の高いコンテンツをAIに機械学習をしてもらうことはできるが、お客様自体が登場する取材コンテンツなどをAIが自ら作るのは難しい。AIを活用しながらも、最終的な顧客対応には人間の介入が必要である点は変わらない。「コンテンツマーケティングを継続するためには、効果が出ていることを実践していくしかありません」と2人は語り、セッションを締め括った。

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この記事の著者

西原 小晴(ニシハラ コハル)

 京都府立大学農学部出身。前職は大手印刷会社にて化学物質管理のシステム開発&管理者。退職後、化学・建設・環境法規制などの知識を活かして大手企業のライティングを行う。現在はリードナーチャリング、セールスライティングをメインとするマーケターとして活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/03/19 17:22 https://markezine.jp/article/detail/47090

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