電通デジタルは、生活者の購買行動に関する、EC(オンライン)と店頭(オフライン)を横断した「EC・店頭をまたぐ購買行動実態調査2024」を行った。2022年から実施している調査となり、今回で第3回目となる。
同調査では、主要商品(13カテゴリー29商品)をベースに、認知・比較検討・購買・購買後の各フェーズにおいてどのようなチャネルに触れ行動をしているのかアンケートを採り、ECと店頭を横断する生活者の購買行動を調べた。
購買行動におけるデジタルシフトが継続
まず、購買行動における各フェーズでのオンラインと実店舗の比率を調べた。すると、購買行動全体においてデジタルシフトの傾向は続き、特に比較検討フェーズではオンラインチャネルを利用する生活者が2年間で5.7ポイント増加した。
商品購入におけるオンラインと実店舗の最高支出金額を尋ねると、1万円未満の購入は実店舗が多く、1~5万円の価格帯ではオンライン決済が増える傾向となった。5万円以上は、オンラインと実店舗での利用に大きな差は見られなかった。
25%以上の生活者が「オンラインでの購入が増えた」と回答
次に、検討要素の多い商品の検討・購入経路を調査。例として電化製品では、オンラインと実店舗を行き来する生活者が5.9ポイント増加し、検討を経て購入する割合も2.7ポイント増えた。
また、最近の買い物に対する意識調査を行うと、生活者の25.5%が「オンラインでの購入が増えた」と答えた。この他、「中古品を購入するようになった(8.8%)」「将来売却することを考えて購入する(4.8%)」といった回答も挙げられた。
電化製品カテゴリーはオンラインと実店舗を行き来して検討・購入の傾向
続いて、電化製品カテゴリーにおいて認知から購買後までの接点を調べると、オンラインと実店舗を行き来して検討した上で購入する傾向が強いことが示された。
特に家電に関しては、認知・比較検討・購入の主要チャネルを考慮すると、店舗購入が昨年比15.2ポイント増加。購買プロセスでは、公式サイトを中心にオンラインで事前に情報を収集し、最終的に店頭で実物を確認して購入するという行動が見られた。
また、オンライン上での最高支出金額については、10万円以上の最高支出金額を回答した商品の上位を占めるのは「PC」「スマートフォン/タブレット」「家電」などの電化製品となった。
認知・検討で最も役立ったチャネルは「企業の公式サイト」
生活者の認知・検討における情報収集のオンラインチャネルを調査したところ、「企業の公式サイト」を利用する頻度が増加。2022年と比較して、2024年は認知が1.6ポイント、検討(最も役に立ったチャネル)が1.8ポイントと伸長した。
公式サイトで購入する理由について質問すると、最も多かったのは「公式サイトだと安心だから(12.5%)」だった。
モールECの利用動機は「ポイント」
最後に、モールECで買う理由を尋ねると、「ポイントを貯めたいから(37.3%)」「貯まっているポイントを使いたいから(27.3%)」という回答が多い結果に。96.2%の生活者が「何らかのポイントを収集している」こともわかった。
【調査概要】
調査手法:インターネット調査
調査時期:2024年5月23日(木)~5月27日(月)
調査対象:全国の20~69歳、10,000名(スクリーニング調査)、4,350名(本調査)
調査主体:電通デジタル
商品:主要13カテゴリーに含まれる29商品(ファッション・インナー・小物/美容・コスメ/食品・スイーツ/ドリンク※お酒以外/お酒/日用雑貨/ダイエット・健康/医薬品・コンタクトレンズ/ギフト/ペット用品/電化製品/インテリア/キッズ・ベビー・おもちゃ)
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