Hakuhodo DY ONEが展開する、シニア層に対して有効なデジタルマーケティング施策を研究する組織「令和シニア研究所」は、シニアの行動傾向に関する調査レポート「令和シニア白書」を発表した。
昨今、デジタル接触機会が多く活動的なシニア層は「令和シニア」と呼ばれ、今後の企業のマーケティング活動において重視すべきターゲットとなっている。
同調査レポートは、令和シニアを中心としたシニア層のインサイトやライフスタイルに関する実態の把握を目的として、全国のシニア層(60~74歳)と若年層(20~50歳)を対象に「消費行動」や「デジタル接触」などに関する調査を実施し、取りまとめたものだ。
一回目となる今回の調査では、好奇心が旺盛で新しいことに意欲的な傾向や、コミュニティ所属意識が高く人とのつながりを求めるなどの「Z世代と呼ばれる若年層と類似」した傾向が明らかになった。本稿では調査結果の一部を紹介する。
65歳以上の平日可処分時間は「6時間以上」が過半数
令和シニアの平日可処分時間は、「6時間以上」が過半数だった。20~50代の場合は20%前後であることを踏まえると、65歳以上になると行動できる時間が増える傾向があるとがわかった。
令和シニアはテレビなど他メディアでの行動をSNSで代替
前期高齢者(65~74歳)の7割が検索サイトを利用し、8割以上がいずれかのSNSを利用しており、シニア層もデジタルメディアに慣れ親しんでいる傾向があるとわかった。
YouTubeやX(旧Twitter)の利用目的は、20代では娯楽的な使い方が多いが、シニア層では「知りたい情報の検索」「ニュースの閲覧」が多く、テレビなど他メディアでの行動をSNSで代替していると同研究所は分析している。
令和シニアの女性は新しいことを始めるのに意欲的
女性シニアの40%が「新しいことを始めた」と回答。一方、男性シニアは24%と男女における乖離が見られた。
新しく始めたことで最も多いのは、ウォーキングやジムなどの運動系(21%)、次いでアウトドア活動(17%)と、健康意識の高さが伺えた。
また、大学入学や通信講座など、新しい学びに取り組むシニアが15%と、好奇心を満たしたい傾向も見られた。
【調査概要】
調査目的: 令和シニアを中心としたシニア層の実態把握
調査手法: Web定量調査
調査対象者: 20代から74歳までの合計1,609人。うち、有効回答数1,260サンプル(20代396サンプル、30代130サンプル、40代125サンプル、50代145サンプル、60歳~74歳464サンプル)
調査期間:2024年7月29日〜8月8日
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