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2度も日本上陸を失敗した「おいしい不要品」スキットルズ 3度目に見えた勝機と異色の戦略とは

 M&M'S、スニッカーズなどの菓子を販売するアメリカの食品会社マース インコーポレイテッドの大人気製品、「スキットルズ」をご存知だろうか。実はこの製品、欧米で長く愛されているにもかかわらず、日本では2度終売している。そんなスキットルズが2024年、3度目の日本上陸を果たした。3度目の正直を狙う今回は、「おいしい不要品」をキャッチコピーに、テレビ・WebCM、電車ジャック、「本当に必要ですか⁉ スキットルズ一年分プレゼントキャンペーン」など自虐をきかせた大規模なプロモーションを展開中だ。日本の拠点のマース ジャパン リミテッドでマーケティング マネジャーを務める村上 慎一郎氏と、広報の中村 由帆氏に、2度の失敗要因とそれを踏まえた今回の戦略を尋ねた。

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世界180ヵ国以上で人気のお菓子、スキットルズとは

MarkeZine編集部(以下、MZ):2024年9月24日より全国で発売開始となったスキットルズとは、どのようなお菓子でしょうか?

村上:スキットルズは、カラフルなキャンディシェル(糖衣)でコーティングした、一口サイズのチューイングキャンディです。コーティングのカリッとした食感と、中身の柔らかく嚙み応えもある食感を、どちらも楽しめるお菓子となっています。1袋にはカラフルな5種類の味(グレープ味、レモン味、ストロベリー味、グリーンアップル味、オレンジ味)が入っています。このたび日本では、「スキットルズ オリジナル」と、酸味を利かせた「スキットルズ サワー」の2バラエティを発売開始しました。

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MZ:昔からある海外のお菓子というイメージですが、販売の歴史は長いのでしょうか。

村上:イギリスで1974年に生まれたお菓子で、2024年で50周年となります。世界180ヵ国以上で愛されており、特にヨーロッパやアメリカでは、誰もが手にしたことのあるような定番のお菓子ですね。

マース ジャパン リミテッド スナックフード マーケティング マネジャー 村上 慎一郎氏
マース ジャパン リミテッド スナックフード マーケティング マネジャー 村上 慎一郎氏

「シニカルな笑いがわかる大人」に届かなかった、2度の日本上陸

MZ:海外では非常に知名度の高いスキットルズですが、日本では過去にどんな展開があったのでしょう。

村上:実は過去に2回、日本に上陸して失敗してしまっています。1回目は1995年、2回目は2010年ごろでしたが、目標売上数に届かず、どちらも販売終了する結果になりました。

MZ:2度も失敗となってしまった理由には、何があるのでしょうか。

村上:理由は2つあると考えています。1つは、大きなプロモーションやマーケティング施策を打たず、店頭に製品を並べるだけだったため、消費者になかなか広まりきらなかったこと。もう1つは、スキットルズのメインターゲットである20代に製品の魅力が届いていなかったことです。

中村:昨今では、チューイングキャンディやグミを好んで食べる大人も増えましたが、1990年~2010年ごろの日本では、まだまだ「子ども向けのお菓子」というイメージが強かったようですね。特にプロモーションしていなかったこともあり、本来のターゲットが「自分向けのお菓子だ」と気づかないまま、販売終了に至ってしまいました。

マース ジャパン リミテッド 広報・渉外部 ディレクター 中村 由帆氏
マース ジャパン リミテッド 広報・渉外部 ディレクター 中村 由帆氏

MZ:日本に限らず全世界的にも、スキットルズは子ども向けではなく、20代の若者向けの製品なのでしょうか。

中村:はい。スキットルズは「シニカルな笑いがわかる大人」向けのブランドコンセプトです。物事を斜めから見てクスリとするような、皮肉的な笑いを好む若年層を狙っており、欧米ではもともとそのようなターゲットに向けたプロモーションを実施していました。


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3度目の上陸、勝機はある? 「おいしい不要品」のマーケティング戦略

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この記事の著者

安光 あずみ(ヤスミツ アズミ)

Web広告代理店で7年間、営業や広告ディレクターを経験し、タイアップ広告の企画やLP・バナー制作等に携わる。2024年に独立し、フリーライターへ転身。企業へのインタビュー記事から、体験レポート、SEO記事まで幅広く執筆。「ぼっちのazumiさん」名義でもnoteなどで発信中。ひとり旅が趣味。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/11/21 09:30 https://markezine.jp/article/detail/47322

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