プラットフォームをまたいだ効果測定に進化の余地あり
──「地上波テレビCM×CTV広告」「CTV広告×Web広告」など、複数メディアを掛け合わせたプランニングのノウハウは業界全体で蓄積されているのでしょうか?
横野:地上波テレビCMとCTV広告、それぞれの価値を組み合わせてテレビ広告全体の価値を向上するプランニングについては、各社で実践知が貯まってきているように思います。たとえば両者を組み合わせることで、インクリメンタルリーチを増やして投資効率を高める方法や、CTVの強みである「専念視聴比率の高さ」「共視聴の多さ」を活かして態度変容を促す方法などです。効果検証の高度化と両輪でプランニングも進化しています。
──進化中の効果検証において、今後どのようなことができるようになりそうですか?
横野:「TVer」「YouTube」などのプラットフォームをまたいだ広告の効果測定には、進化を期待したいです。プライバシー保護との兼ね合いがあるため、シングルソースでデータを見ることは恐らく難しいと思います。ただ、各プラットフォームで測定した結果を統計的に処理して重なりを把握するような方法には、進化の余地があるように感じます。
朴:ビデオリサーチが2024年4月にβ版の提供を開始した「STREAMO(ストリーモ)」は、テレビ視聴率の調査サンプルを対象に、CTV上で視聴された広告素材のリーチを測ることができるサービスです。具体的には、視聴率調査の判定ロジックで視聴広告を判定し、STREAMOで広告が視聴されたプラットフォームを判定します。両データを組み合わせることにより、CTV上で視聴された広告を特定することができるようになりました。地上波と同じサンプルでCTV広告の効果を測ることができる点が画期的と言えます。