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「ショート動画」活用の最前線

予算ゼロ・超少人数で開始→登録者数15万人超へ。「くら寿司」に聞くショート動画戦略

 15.3万人のチャンネル登録者数を誇る「くら寿司 178イナバニュース」(2025年3月現在)。現役のくら寿司社員YouTuberであるイナバ氏が始めたこのチャンネルは、ショート動画の投稿をきっかけとしてチャンネル登録者数を急激に伸ばし、現在も成長し続けている。くら寿司ではショート動画施策の成功要因がどこにあると考えているのだろうか。同社の動画活用の経緯やその戦略について、くら寿司の広報部でチャンネルの管理にあたる小坂博之氏と、動画施策の発起人かつ出演者のイナバ氏こと稲葉亘平氏ご本人に聞いた。

現役社員が運営する「くら寿司 178イナバニュース」

━━YouTubeチャンネル「くら寿司 178イナバニュース」は、登録者数15万3,000人(2025年3月現在)と企業公式であることが意外なほどの人気です。くら寿司現役社員のイナバ(1・7・8)さんによる発信が印象的ですが、改めて概要を教えていただけますか。

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小坂:稲葉を含めて私たちの業務とチャンネルの成り立ちからお話しした方がわかりやすいと思いますので、少しご説明させてください。私は現在広報部で各メディアからの取材対応を担当しており、YouTuberさんからの撮影依頼や取材の立会なども行います。その縁から、この「くら寿司 178イナバニュース」の管理者となりました。

 当チャンネルをメインで担当する稲葉と企画を主に担当する岩澤も現在では同じ広報部におりますが、チャンネル立ち上げ当時は販売促進部の所属でした。

稲葉:販売促進部ではチラシなどの販促物の企画制作をメイン業務としていたのですが、常々「動画を使った販促施策ができないか」と考えていました。

 というのも、私はCM撮影やテレビ取材などでお寿司を作るなど裏側のアシストに当たる機会をいただくことが多かったのです。撮影現場に行くたびに、「短い尺でシズルを感じさせて、しかもコンテンツとしておもしろい工夫ができるのではないかな」と考えていました。時には真面目一方ではなく、何なら少し自分も出演して、おもしろいコンテンツにならないかな、と。そんな企画を立て、「こんなアイデアがあるのですが」と提案させていただいたのが現在のYouTubeチャンネルが始まったきっかけです。

━━なるほど、販促に携わっていたことに加え、撮影に必要なお寿司を作るという側面では既に映像の現場に関わっていたために、独自に動画を作る発想が生まれたわけですね。

小坂:元々、稲葉も私も現場出身なんです。店舗でお寿司を製造したり、ネタを下ごしらえしたり、というところからスタートして、店長も経験しています。広報としての業務経験はまだ数年ですが、長く現場で経験してきたことが、現在の広報や販促にも役立っていますね。

くら寿司がYouTube、ショート動画を始めた理由

━━チャンネルの歴史について、もう少し詳しく教えてください。

稲葉:最初の動画企画を行ったのは2019年だったと思います。準備期間を経て、2020年元旦にチャンネルをスタートしました。主目的は「くら寿司のファン作り」、モットーは「明るく楽しく美味しく」です。最初はくら寿司の特徴など推しポイントを紹介しつつ、たとえば「ラップでくら寿司を語る」などのように独自の要素を入れるなど、様々なことに挑戦してきました。

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チャンネルのトップより
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「178イナバ・くら寿司でラップ挑戦」より

小坂:今振り返ると「なんでこんなことをやっているのか」という企画もたくさんありますが、視聴者を引き付ける工夫が必要なので、おもしろいと思うことをミックスしようとする意識がありました。初期はショートではなく、横型の長尺動画でしたね。

━━ショート動画を始められたのはなぜでしょう?

稲葉:チャンネルの登録者が1,000人を超えた時、次に5,000人を目指していたのですが、長尺動画の視聴回数は伸びて悩んでいたんです。開設から1年~1年半くらいの時期は登録者数がなかなか伸びずに苦労していました。

 当時はTikTokが流行し始めており、ショート動画のトレンドが強まっていることはわかっていました。それからまもなくYouTubeがショート動画に対応することになり、企画の岩澤と“最後のあがき”として「我々も挑戦してみよう」とショート動画をアップしたところ、再生回数が一気に上がりました。2021年の7月だったと思います。それはもう、すぐに8,000回、1万回にまで達するほどでした。

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この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2025/03/21 07:00 https://markezine.jp/article/detail/48467

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