CESは世界に挑戦するためのプラットフォーム
CESではこれまでスタートアップが「味覚テック」関連のデバイスを展示してきたが、軽量かつ実用可能で機能的なプロダクトとして洗練されたものは存在していなかった。その点、今回の日本企業のアプローチは群を抜いていたと感じる。
今年のキリンの成功は、これまであまり注目されていなかった「味覚テック」という分野を、世界市場における日本の新たなアイデンティティとして提示した好例だ。この勢いを活かして味覚テックを「日本のお家芸」としてシリーズ化し、来年以降のCESでさらに存在感を示すことができれば、日本は「美味しい国」だけでなく「健康を支える技術を持つ国」という新たなイメージを世界に浸透させることができるだろう。
こうした話は夢のように聞こえるかもしれないが、決して遠い未来の話ではない。日本のプロダクトのユニークネスを世界に示すために、CESは効果的である。今年初めてCESに出展したスズキは「小・少・軽・短・美」を日本語のまま提示し、注目され、多くの商談を行っていた。同社役員も「手応え」を感じたと語っている。
CESは、単なる展示会ではない。世界に挑戦するためのプラットフォームであり、企業が次の一手を見出すための場である。これを機に、日本企業が持つ技術やアイデアをグローバル市場で展開し、世界に挑む企業がさらに増えることを期待したい。
この記事が、これからCESへの出展やイノベーションアワードへの挑戦を考える企業にとって参考になり、一歩踏み出すきっかけとなれば幸いである。みんなで日本の技術を世界に示し、次の挑戦に向かっていこう。
最後に、CESイノベーション・アワードについて、応募費用や応募要項は公式ページで紹介されている。関心を持った方はぜひ参考にしてほしい。
