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第113号(2025年5月号)
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MarkeZine Day 2025 Spring

「物足りない」が商談化率を向上させる/JTBが実践する、行動経済学に基づく対面イベント成功の法則

 コロナ禍を経てウェビナーが普及した一方で、今あらためて対面イベントの価値が再評価されている。参加者の記憶に残り、商談が生まれるイベント体験をどう設計すればいいのか? 「MarkeZine Day 2025 Spring」において、対面ならではのエンゲージメント創出の具体的な手法について、JTBのビジネスソリューション事業本部 事業推進部の堺亮介氏、前澤美保氏が語った(2025年3月現在)。

JTBが語る、対面イベント成功のセオリー

 JTBというと旅行業のイメージが強いが、近年は交流創造事業を生業にしている。そこでは旅行業に加えて、観光地のエリア開発やデジタル化を支援するエリアソリューション事業、企業課題解決を支援するビジネスソリューション事業の3つの柱を持つ。中でもビジネスソリューション事業は、ミーティングとイベント、HRサーベイなどの事業を展開しており、2024年だけで約1万件のイベントを取り扱ったという。

 堺氏はまず、対面イベントのセオリーを提示。対面イベントの最大のメリットは「エンゲージが取れること」であり、そこから「質に注力すること」というセオリーを導き出した。プライオリティは「エモーション変化を起こす設計」となる。ちなみに、オンラインイベントのセオリーは「量に注力すること」、プライオリティは「見込み客を探すこと」と示され、対照的だ。

株式会社JTB ビジネスソリューション事業本部 事業推進部 事業推進チーム ミーティング&イベント担当グループリーダー 堺亮介氏
株式会社JTB ビジネスソリューション事業本部 事業推進部 事業推進チーム
ミーティング&イベント担当グループリーダー 堺亮介氏(2025年3月現在)

 対面イベントの活用方法は、対象者(参加者)の職位、接点の有無などを考慮して、3種のオフラインイベントを有機的に設計している。たとえば、「Executive Engagement Salon」は役員レベルをターゲットとしており、特別な体験の共有によってリレーションの構築を図り、パートナーシップの強化につなげている。

講演資料より掲載

 BtoBマーケティング活動におけるカスタマージャーニーの中で、各レイヤーが次のファネルステージに進むきっかけとして、対面イベントが効くという。実際にJTBでは、「展示会出展」から先ほどの「JTB Engagement Festival」「JTB Engagement Salon」といった対面イベントを有機的に活用して顧客のステージをすすめ、最終的には参加者との新規契約率50%を達成したイベントもあるそうだ。

講演資料より掲載

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歩留まり約90%を達成した、イベントのカスタマージャーニー設計

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この記事の著者

末岡 洋子(スエオカ ヨウコ)

フリーライター

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MarkeZine(マーケジン)
2025/06/18 09:00 https://markezine.jp/article/detail/48585

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