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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Retail

業界キーパーソンと探る注目キーワード大研究

独自のモデルでトライアル数を140%増加!顧客の"不"を解消するトヨクモ流BtoBマーケティング

認知から契約まで、各ファネルで成果を最大化する施策とは?

――マーケティングファネルの各工程においては、実際どのような施策を展開されているのでしょうか。

中井:マーケティングファネルの最上段、認知ファネルでは、テレビCMやタクシー広告、電車内広告などのマス広告を展開しています。また、動画メディアや新聞への広告出稿も行っています。

 認知ファネルにおけるマス広告の出稿はすぐに結果が出るものではなく、かつ費用対効果も見えにくいです。そのため多くの企業にとって、マス広告出稿の判断は難しいものだと思います。

 しかし私たちは、マス広告を「信頼構築」のための重要な投資だと捉え、ある種の割り切りを持って戦略的に出稿をしています。

 また、認知ファネルの施策としてもう一つ挙げられるのが展示会です。展示会においては、名刺交換した企業が3ヵ月以内にトライアルに転換した割合、1年以内に契約に転換した割合をKPIとして追っています。

――興味関心ファネルのコンテンツマーケティングでは、どのような点を意識していますか?

中井:各サービスのバリュープロポジション(顧客に提供する価値)を明確に伝えることを意識しています。

 たとえば「安否確認サービス2」であれば、世の中にさまざまな安否確認サービスがある中で、弊社のサービスが選ばれる理由、強みを訴求しています。

 コンテンツマーケティングの中心は興味関心ファネルとなりますが、それ以外のファネルに向けた記事も幅広く制作しています。

――コンテンツのテーマは、どのように決めているのでしょうか?

坂田:コンテンツで扱うテーマは、自社を構築するキーワードと課題を掛け合わせて決定しています。

 自社を構築するキーワードは、顧客インタビューやアンケートを通してお客様に聞いて考えるのが良いですね。顧客が普段どのように、自社のサービスについて話しているか知ることで、本当に求められている情報、つまり「勝ち筋のあるキーワード」を見つけることができます。

「N=1」の課題解決を追求する 顧客視点の徹底が、解約率0.7%を生み出す

――興味関心ファネルだけでなく、認知や契約に近いファネルにも対応し、幅広いテーマのコンテンツを制作していると思いますが、すべてのコンテンツで大切にしていることはありますか。

中井:1人1人の問題意識や課題にあわせてコンテンツを作ることです。たとえば、kintone連携サービスに関するコンテンツでは、kintoneで「請求管理をしたい」「予約管理をしたい」といった具体的なニーズに答える内容はもちろん、卸売業の方だけが気にされるような課題に対応したコンテンツなど、ニッチなテーマであってもニーズがあれば積極的に取り上げています。

 もちろん、そういったコンテンツのPVは伸びないかもしれません。しかし記事を見た方、いわゆるN=1に「こういう情報を求めてた!」と感じていただくことができれば、それでいいのです。記事が課題解決に役立ち、トヨクモへの信頼につながり、トライアルや契約をしていただけるかもしれませんから。

 さらに先ほどのAIによる検索行動というのは、このN=1への考え方の追い風になると思っています。非常にロングテールになり見つけにくい記事になってしまったとしても、そのお客様にAIが記事を届けてくれるようになるからです。

坂田:またコンテンツのCTA(Call To Action)設計も非常に重視しています。CTAボタンの前後の文章やボタン内の文言など、細部にまでこだわり、CTAに価値を持たせるようにしています。

 「どんな言葉がお客様にとって伝わりやすいか?」というのは、自社のキーワード同様、お客様にご協力をいただきながら、最適な表現を追求しています。

――ここまで紹介した以外で、御社ならではの工夫が見られる施策はありますか。

中井:自社開催のイベントですね。たとえば、2025年1月に開催した「安否確認サービス2」のイベント「トヨクモ防災DAY」では、先ほどのコンテンツマーケティングの考え方を応用して、価値の高いコンテンツを用意、体験していただける内容に仕上げました。

 kintone連携ではお客様のユースケースを紹介するイベント「トヨクモkintoneフェス」などを4年〜5年ほど継続して行っています。

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両サービスともにトライアル数が大幅増加、オンオフの接点増加が貢献

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この記事の著者

タカハシ コウキ(タカハシ コウキ)

1997年生まれ。2020年に駒沢大学経済学部を卒業。在学中よりインターンなどで記事制作を経験。卒業後、フリーライターとして、インタビューやレポート記事を執筆している。またカメラマンとしても活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/03/26 08:00 https://markezine.jp/article/detail/48620

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