両サービスともにトライアル数が大幅増加、オンオフの接点増加が貢献
――ここまで紹介いただいた施策によって得られた成果を教えてください。
中井:2024年は合計で1,100件のコンテンツを制作、公開したとお伝えしましたが、実はこれが2023年の3倍の数なんです。その結果、2024年のkintone連携サービスのトライアル数は昨対比144%も増加しました。
坂田:「安否確認サービス2」もトライアル数は昨対比200%以上の増加となっています。ユーザー数も目標に対して150%以上増加させることができました。
また、昨年は展示会にも積極的に出展しました。2023年の出展は年3、4回程度でしたが、2024年には20回以上出展しています。オンラインとオフラインの顧客接点をフルファネルで増加させたことが、大きな成果を生んでいます。

――kintone連携サービス、安否確認サービス2の自社イベントの成果はいかがでしたか?
中井:kintone連携サービスのイベントでは2,000件弱の参加のお申し込みがありました。目標数値として設定した、2024年の2倍の数値であるトライアル遷移数も無事に突破し、大きな成功を収めています。
坂田:「安否確認サービス2」のイベントは今年初開催でしたが、1,000件のお申し込みをいただくことができました。そこから20%ほどの方がトライアルにつながり、契約をしてくださったお客様もいらっしゃいます。
――ここまでの取り組みを経て得られた学びや気づきはありますか。
坂田:どの施策においてもお客様の価値を考えコンテンツを用意した結果、目標値を突破でき、改めて「お客様が求めているのは情報なのだ」と痛感しています。
課題解決に役立つ情報を提供して興味を持ってもらう。そしてサイトを回遊し周辺情報を見てもらうことで信頼関係を構築する。最終的に、CTAに価値を感じてもらうことでトライアルや契約につながる。
こういった流れでお客様自らが納得してサービスを利用されていることから、私たちは、SaaSとしては驚異的な、解約率0.7%という数字を維持できているのだと思います。
顧客に価値を提供する新たな場を作る、トヨクモの今後
――トヨクモの、今後のマーケティングに関する展望を教えてください。
中井:二つあって、一つは動画施策に注力していくことです。
昨年はコンテンツの数を出すことに意識を傾けた結果、動画を作る工数はなく、また金額も高かったため後回しになっていました。今後は動画コンテンツを積極的に作っていきたいですし、YouTubeアカウントの情報の整理も進めていきたいです。
もう一つは、お客様へ価値を届ける場を増やしていくことです。トヨクモではお客様の課題解決に役立つ情報を発信していますが、現状はどうしても私たち側からの発信が強い状態です。
そのコミュニケーションの状態を双方向に近づける、たとえばお客様をメンバーとしたコミュニティを作ることができれば、よりお客様の力になれるのではないかと考えています。
坂田:私も中井と同じ想いで、動画施策の強化は必須だと考えています。近年、youtubeやtiktokなど、動画配信系のサービスの利用者が増えているので、これまで接触できていない新たな層にアプローチができると考えています。
加えて顧客インタビューの話がありましたが、私たちのお客様が普段どこで情報収集をしているのか、その解像度をさらに上げていきたいですね。
そして最後にもう一点、お客様に「トヨクモのサービスが必要だ」と感じていただけるようなコンテンツ作りを進めていきたいと思います。
ここまでお伝えしたように課題解決を第一にコンテンツを発信していますが、私たちの最終目標は自社のサービスを利用してもらうことです。そのためコンテンツで課題解決し、終わりではいけません。
どうすれば、お客様にサービスの必要性を感じていただけるのか。これからしっかりと検証を行い、コンテンツを通して、トヨクモの事業成長目標に貢献していきたいと思います。
