生成AI活用も部署を超え、情報を共有しながら進める
藤原:皆さん関心が高いと思いますが、AIについての取り組みはありますか?
柳瀬:当社としても生成AIの活用は進めていきたいですが、アプローチについては悩ましい部分もあります。生成AIは何でもできて便利である一方、会社として導入する以上は費用対効果を出す必要があります。
現在、ChatGPTのエンタープライズライセンスを契約し、本部社員全員と一部の店舗で実験的に使用しています。今年1月から導入したばかりなので、まだ活用方法を模索している段階です。
たとえば、インバウンドで海外からのお客様が来店した際にChatGPTの音声機能を使い、中国語と日本語の同時通訳をさせるといった取り組みをしています。また、システム部門ではコーディングや手間のかかる仕様書作成などの業務をChatGPTで効率化できないか検討しています。
各部署にはデータ分析と同様に生成AI活用の責任者を設け、チャットグループで活動内容を共有しています。「このスクリプトを入れるとこんな分析ができる」など、コミュニケーションも活発です。AIに興味がある人同士で会話するため、自然とレベルが上がっています。データ分析の浸透時と似た雰囲気を感じています。

課題を明確に、具体的な施策に落とし込むことが重要
藤原:最後の質問です。「デジタル化やデータ活用ができていない、グッデイのようになりたい」と尋ね、柳瀬さんはどのようなアドバイスをしますか?
柳瀬:目的を具体的にすることです。データや抽象度の高い言葉だけで話をすると、何をすべきかわからなくなります。本当にやりたいことは何か、課題をしっかり捉えて、具体的な解決策を調べることが一番重要だと思います。目的をはっきりさせ、それに基づいて何をするかを決めるべきだと考えています。
グッデイもDXに成功したと言われていますが、実際には現状に満足しているわけではなく、まだまだ様々な試行錯誤をしながら変革を進めている段階です。皆さんと同様に、取り組みを進めていきたいと思います。
藤原:実践者だからこそ出てくる言葉ですね。本日はありがとうございました。
