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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Retail

変容する金融業界のマーケティング

デジタル化の中で地銀は何で勝負する?アプリとデータを活用したひろぎんとTOPPANの挑戦

年始に配信したライフプランシミュレーションが好評

MZ:コミュニケーションやメッセージの具体的な工夫例があれば伺えますか。

谷本:メッセージは、内容はもちろん、配信タイミングも大事です。春は口座開設をされる方が多い季節ですが、口座開設後の3営業日目にはお礼と共にお役に立つデジタルサービスをご案内しています。新社会人の方には、金融リテラシーを上げていただく目的で、5月以降、定期的にお金の使い方に関する情報をお伝えしています。また、定期的にコンテンツを提供し、閲覧の有無で興味の度合いを推測したり、他のコミュニケーションが必要かを分析したりしています。

山本:シナリオリリースの際には所管部の方々とのコミュニケーションを密にとっていただき、どのタイミングで増やすのか、どのタイミングに変更するのかというスケジュールもこまめに調整しています。

谷本:今年から配信を始めたのは、ライフプランシミュレーションのご案内です。やはり心機一転したくなるのは、年明けか年度替わりだと思います。ご案内を年始に実施したところ、多くのお客様にご反応をいただきました。

ひろぎんアプリのライフシュミレーション(イメージ)
:ひろぎんアプリのライフシュミレーション(イメージ)

 お客様からも「これはどう見るの」などのお問い合わせをいただきました。デジタル施策についてリアルな反応が来たのは、タイミングが適切だったたからだと思います。

 また、進学を控えた高校生のお子さんがいらっしゃる(と思われる)親御さん向けには、大学進学に向けた準備に役に立つ情報と、学費の目安がわかるコンテンツを配信しました。お子様が高校2、3年生になる春に興味を持つ親御さんが多く、実際にお金が必要になる年明けまで情報をお届けしています。

個人からデジマの対象を広げ、ファンを増やすために

MZ:ひろぎん様の今後の展望を伺えますか。

谷本:今後は、現在対象としている個人のお客様に加えて、個人事業主のお客様といった法人向けデジマの取り組みを広げたいですね。法人個人を問わず、ひろぎんファンを増やしていきたいです。

 最終的には、デジタルの強みを生かしながら地銀の強みである有人店舗との連携を強化して、デジタルからリアルまでどのチャネルでもお客様とつながり、日常生活に寄り添えるひろぎんを目指したいと思います。

MZ:TOPPAN様は、これらにどう応えていかれるのですか。

山本:たとえば、地元企業様に向けたBtoBコミュニケーションのサポートや、デジタルリテラシーがあまり高くない方々も無理なくツールを使えるようにするお手伝いも可能です。

 TOPPANとしては、ブランドコンセプトからロゴや通帳などの各種デザイン、遊休地の店舗活用、年史、そしてもちろんデジタルマーケティング領域など幅広い領域でご支援が可能です。また、システム統合やツールの有無による業務水準の違いなども、お客様の間に立って調整できるチームです。様々なお役に立ちたいですね。

谷本:私たちがTOPPANさんを選定した理由でもありますが、TOPPANさんはすべてのソリューションを把握されています。ツールごとに担当者がいて、TOPPANさんの中できちんと連携をとった上で、こちらが望むアウトプットをチームとして出してもらえます。データもツールも複数がバラバラで動くと施策として成り立ちません。統合方法がわからず考え込みそうな部分にベストな提案をしていただけるので、とてもありがたいです。

MZ:TOPPAN様から見てひろぎん様の運用や取り組みで良いと思うところ、他社や他行でも取り入れられそうな部分があれば伺えますか。

山本:社内コミュニケーションが圧倒的に円滑で、組織が強いと感じます。他社では、所管部と社内との調整に我々が入って間を取り持つケースが多いのですが、ひろぎん様はそれがまったくありません。

 さらに、谷本様の上司にあたり本取り組みを統括している堀井様(株式会社ひろぎんホールディングス執行役員)とも月次のミーティングを設け、進捗確認や意思疎通を図っています。これが実は重要で、我々が後の世代にどんなバトンを渡すのかということの認識合わせを経営層と現場、そして我々がしっかりと対話した上で進めて行く。こうすることでスムーズなプロジェクトの進行につながっていると感じます。

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この記事の著者

那波 りよ(ナナミ リヨ)

フリーライター。塾講師・実務翻訳家・広告代理店勤務を経てフリーランスに。 取材・インタビュー記事を中心に関西で活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/06/06 09:30 https://markezine.jp/article/detail/48717

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