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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Retail

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【デジタルマーケティングトレンド 2025】押さえておきたい7つの潮流とブランド事例

トレンド5:AIと人間らしさのバランスが求められる

 AIはもはや単なるトレンドではなく、マーケターにとって必須のツールとなっているが、AIを活用しつつも「人間らしさ」を失わないようにすることが、2025年の重要な課題だ。AIの導入によって効率性が向上する一方で、人間らしさを欠いたマーケティングが信頼性を損なうこともある。そのため、AIが生成するコンテンツやインタラクションに対する反発も予測される中、どのようにAIと人間らしさを共存させるかが問われている。

ブランド事例

 イスラエルのネット証券企業eToroは2024年に完全にAI生成された広告を発表したが、この広告はAI由来であることが明確で、信頼性に疑問を抱かせる結果となったという点が指摘されている。

Be the investor you want to be

 一方、AIを活用したデジタルコミュニケーション・コンサルティングを行うEschermanは、マーケターが習得すべきAIスキルについてBrandwatchと共同でウェビナーを開催。適切なプロンプトが新しいアイデアを引き出し、マーケターの創造力を向上させることができる点を強調した。

成功のポイント

  • AIに任せるタスクを選定し、創造性が必要な部分は人間の手で行う
  • 顧客に良い体験を提供するため、AIに与えるコンテキストを慎重に設定する
  • 消費者の声に耳を傾け、必要に応じて修正する

トレンド6:消費者の検索行動の変化に適応する

 生成AIの導入により、消費者の検索行動は劇的に変化している。たとえば、AIを搭載したツールであるSGE(search generative experience)を使うことで、ユーザーはウェブページをクリックせずとも検索トピックの概要を素早く得られる。

 この変化により、マーケティング担当者は従来の検索エンジン最適化から生成エンジン最適化へのシフトを考慮する必要がある。しかし、AIが生成する検索結果には不正確なものや無関係なものもあるため、注意が必要だ。

 SNSも検索プラットフォームとして重要性を増しており、TikTokやReddit、さらにはChatGPTのようなツールが消費者の検索行動に影響を与えている。これにより、オンライン検索が従来の手法から変革し、2025年には新たな情報検索手段が主流になると予測されている。

ブランド事例

 Dell(デル)のモニターが挙げられる。Googleで「Best 1440p monitor under $500」を検索した際、Redditのr/buildapcサブレディットでデルのモニターが高く評価されたことが、消費者の推薦がどれほど効果的で信頼されるかを示している。

成功のポイント

  • SNSを検索用に最適化し、人気のキーワードやハッシュタグを活用する
  • 新しいコンテンツフォーマットやプラットフォームを試し、柔軟に適応する
  • 消費者がどこで情報を検索しているかを把握し、ニッチなフォーラムやオンラインコミュニティを監視する

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トレンド7:口コミなどのリアルな体験談の重要性が増す

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この記事の著者

岡 徳之(オカ ノリユキ)

編集者・ライター。東京、シンガポール、オランダの3拠点で編集プロダクション「Livit」を運営。各国のライター、カメラマンと連携し、海外のビジネス・テクノロジー・マーケティング情報を日本の読者に届ける。企業のオウンドメディアの企画・運営にも携わる。

●ウェブサイト「Livit」

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

中井千尋(Livit)(ナカイ チヒロ)

大学卒業後、金融機関勤務を経て、イギリスへ留学。そこで培った語学力を活かし、帰国後は企業の語学研修コンサルティングに携わる。シンガポールに渡り、大手日系商社に転職。シンガポール人、インド人、オーストラリア人、モンゴル人、中国人など多国籍社員が集う場でのビジネスを経験。その後、オランダに渡り、ライターとして独立。分野...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/04/09 09:30 https://markezine.jp/article/detail/48824

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