投稿例(5)素材提供・大喜利型の投稿
このパターンは、企業側が投稿素材や“お題”を提示し、それを基にユーザーが自由に発想・表現する形でUGCを生み出す手法です。ゲーム性やユーモアを取り入れることで、ユーザーの創造性や「おもしろいことを言いたい」という欲求を刺激します。さらに、投稿のおもしろさやセンスが他の人に評価される場面を得られるため、拡散性も高まりやすいのが特長です。
さらに、こうした素材提供型の投稿は、ユーザー同士が「他の人はどう答えているんだろう?」とコメント欄や引用投稿を見に行く動機にもなり、投稿自体の滞在時間を延ばす効果も期待できます。購入・利用前のユーザーでも気軽に参加できる設計にすることで、認知拡大のきっかけづくりとしても有効です。
投稿例(6)新商品の期待醸成型の投稿
このパターンは、まだ発売されていない新商品・新メニューについて「何が出るのか?」「どんな味なのか?」といったユーザーの予想や想像を促すことで、発売前からUGCを生み出す手法です。
「まだ誰も知らない情報」に対してユーザーの好奇心を刺激し、SNS上での話題化や指名検索を促進できます。たとえば「新作の味、何味だと思う?」といったクイズ形式にしたり、商品画像の一部だけを見せて想像を促したりする投稿が考えられます。
また、ユーザーが自ら投稿を通して予測や期待を共有することで、新商品に対する関心を高め、発売タイミングでの購買行動へとつなげる効果も期待されます。「あなたの予想を教えてください」と呼びかける形にすれば、参加のハードルも下がり、多様な反応が集まりやすくなります。
発生したUGCはどう活用する?
実際にUGCが発生したら、その内容を観察・分析し、次の施策に活かすことで、より効果的なSNS活用が行えます。UGCをチェックする際のポイントは、大きく5つあります。
- 誰が投稿しているのか
- どのタイミングで商品を体験しているのか
- どんな使い方や楽しみ方をしているのか
- どんな言葉で語られているのか
- どんな写真や動画で表現されているのか
こうした視点でUGCを丁寧に読み解いていくと、誰が、どんな部分に惹かれて購入(もしくは来店)に至ったのか、などが見えてきます。
たとえば、「最近飽きてきた」といった声が見つかれば、アレンジレシピの提案や、他のユーザーの工夫を募るような投稿を企画してみましょう。また、「美味しいけど写真映えしない」という感想が見つかれば、盛り付けや撮影のコツを紹介する企画を展開することもできます。
冒頭でもお伝えしたように、食関連の業界はUGCが自然発生しやすいです。だからこそ、UGCを単なる成果指標の一つとして捉えるのではなく、ユーザーインサイトの宝庫として活用していきましょう。「なぜこの投稿が生まれたのか?」という視点で深掘りすることで、より多くの人に響く企画や投稿テーマのヒントは得られるはずです。
そしてまた次の施策を行い、「次のUGC」へとつながる循環を生み出していくことが、SNS運用における持続的な成果につながります。