「現場起点」で、ペイン解消に向けた機能開発を実現
MZ:具体的にどのような機能開発を行っているのでしょうか。
川島:マーケターの方にとって、Webサイト上での顧客体験の設計は優先度が高まっています。サイト上の接客による購買の後押しやスムーズな登録導線の用意など、サイトを訪れてくれたお客様のユーザー体験が向上する機能の開発を進めています。
直近では「ポップアップ機能」を6月にリリースします。マーケ施策の結果サイトに訪問してくださった方に目的に合わせたページに案内したり、最適化されたメッセージ表示を行ったりすることで離脱率を減らし、CVRの改善に寄与できます。

川島:既にリリースした機能としては、フォームの「アクセスレポート機能」があります。資料請求やアンケートなどの登録フォームで、なぜか登録が完了しないケースの原因を解析するためのものです。「この入力項目で離脱者が多い」といった傾向がわかれば、その項目を任意にしたり削除したりすることでコンバージョン率の改善につながります。
さらに、一度登録したユーザーが休眠状態になった後、最近サイトにアクセスしたホットリードを検知する機能もリリースしました。これらはすべて現場の課題を起点とした機能開発で、マーケターのペインを解消することを目指しています。
いかに効率化するかより、いかに成果につなげるか
MZ:今後のビジョンや展望についてお聞かせください。
川島:基本的には今後もお客様の課題解決を中心に進化を続けます。昨今、マーケターの方々が直面している課題として、施策の費用対効果の可視化があります。たとえばメール配信がどの程度売り上げに寄与しているのか、どの広告が最も効果が高いのかなど、判断材料となるデータの可視化に注力していきます。
また、マーケティング業務が多岐にわたり時間や労力が足りないという課題に対しては、AIエージェントなどを活用した生産性向上や業務効率改善につなげていきたいと考えています。これらを通してマーケターの業務に貢献し、「Synergy!」のブランドをより身近に感じていただくとともに、現場からのフィードバックをプロダクトに反映する流れは今後も加速させていきます。
金沢:2025年は「AIエージェント元年」といわれ、私たちもその領域に注目しています。既に仮想のAI顧客を生成する「DAYS GRAPHY」や、AIでコンテンツを作成する「Writing Assistant」などの生成AIを活用したサービスを当社ではリリースしています。
マーケターの役割が拡大する中、より成果も求められるようになっています。かつては会員数や継続率などがCRMの活動指標として重視されましたが、今ではROI(投資対効果)という結果が問われています。
現在マーケターが直面する課題の一つに、顧客理解があります。従来はデータ分析やグループインタビューなど、いずれも時間とコストがかかる方法を取っていました。しかし、生成AIを使えば短時間で顧客像を作成し、AIエージェントとして24時間会話できるようになります。
またパーソナライズが進むと、クラスターごとに異なるクリエイティブが必要になり労力が増大する課題もあります。こちらも生成AIを活用することで、効率的に多くのコンテンツを作成できます。
重要なのは「効率化だけでなく、成果を出すこと」です。そのためには、どのようなデータをAIに与えるかが重要であり、ここが私たちの独自性になると考えています。生成AIによる業務効率化と、成果を出すためのノウハウやアルゴリズムを組み合わせることで、真にマーケターに必要なソリューションを提供していきたいですね。
MZ:これからの「Synergy!」のアップデートにも注目していきたいと思います。
金沢:6月25日(水)~26日(木)に、「Synergy!」20周年を記念したオンラインのカンファレンス「Marketing Solution Days」を開催します。マーケターが現場で直面するTOP20の課題に対して、当社だけでなく知見を持った39社のパートナー企業とともに、解決策を提案する場にしたいと考えています。2日間で23セッションの開催に加えて「Synergy!」の最新アップデート情報も公開予定ですので、ぜひご参加いただければと思います。
撮影場所:WeWork 麹町