SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第114号(2025年6月 最終号)
特集「未来を創る、企業の挑戦」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

注目マーケティングトピックス2025

2025年から新体制となった電通デジタル、組織変革の狙いを副社長の杉浦友彦氏・小林大介氏に聞く

有機的に連携していく4つの組織

MarkeZine:では、4つの領域について詳細を伺えればと思います。まず、MC(マーケティングコミュニケーション領域)は、どのような組織でしょうか?

1.MC:マーケティングコミュニケーション領域

杉浦:MCはメディア領域とクリエイティブ領域を統合した、マーケティングエージェンシー機能を有する組織です。従来、広告運用やソーシャルメディア企画、クリエイティブチームは個々に細分化されていましたが、統合運用する体制に再編しました。

MarkeZine:プラットフォームの変化を受けて、メディア(運用)×クリエイティブをワンチーム体制にする動きは、デジタル系の広告代理店で見かけます。電通デジタルの場合はどのような狙いがありましたか?

杉浦:デジタル広告に対して、これまでは比較的、メディアが「主」で、クリエイティブが「従」という空気感があったと思います。しかし、「ABテストを繰り返して刈り取る」というような従来型のデジタルマーケティングに限界が来ているのは明白です。顧客視点で本質的なクリエイティビティを追求し、デジタル広告でも「消費者の気持ちを動かすこと」が求められています。

 これまでも、メディアチームとクリエイティブチームがそれぞれ強みを磨いてきましたが、メディアプラットフォームを最大限に使いこなすために、両者がセットでクライアントと向き合う必要性がいよいよ高まってきていると考え、今回の統合に至りました。

2.XT:エクスペリエンス&テクノロジー領域

MarkeZine:続いて、XT(エクスペリエンス&テクノロジー領域)について紹介をお願いします。

小林:XTは、マーケティングに関わるDXやシステム開発を通じて、クライアントのビジネス変革を支援する組織です。システムとDXはこれまで別組織でしたが、一つに統合しました。MCが「コミュニケーションで課題解決する側」であるならば、XTは「ベースとなる仕組みを作る側」と言えるでしょう。XTはクライアントの経営企画部やCDO、CIOからのご相談も多く、経営課題への直接的なアプローチにする役割を担います。

3.CP:コンサルティング&プロデュース領域

MarkeZine:4つある領域のうち、今回注目しているのが3つ目の「CP(コンサルティング&プロデュース領域)」です。広告代理店の分業制に限界が訪れているという話もありましたが、それを踏まえてもこの領域は重要な役割を果たすことになるのではと想像します。

小林:そうですね。CPは、MCやXTといった専門機能を横断的に束ね、総合的にプロデュースするフロント組織です。いわゆる「営業・コンサルティング」の役割を担う組織をイメージしていただくとよいかもしれません。営業の役割を担う「統合BP(ビジネスプロデュース)室」と、コンサルティングの役割を担う「トランスフォーメーションストラテジー部門」が内包される形となりました。

 規模の大きなクライアント、拡大のポテンシャルが高いクライアントにフォーカスし、CPが主体性をもってチームをディレクションしていきます。目の前の課題解決だけでなく、中長期的な目標を課題解決・目標を見据えて、計画的にコミットしていくことで、MCとXTの能力を最大限引き出すのが、CPの重要な役割です。

4.SF:ストラテジックフォーカス領域

MarkeZine:最後に、SF(ストラテジックフォーカス領域)について教えてください。

杉浦:SFは、「グローバル」や「AI」といった電通デジタルが今後注力していきたいテーマを束ねた投資領域です。グローバルでは、海外のクライアントと対峙するのはもちろん、日系企業の海外進出支援もサポートしますし、「データ&AI部門」という組織では全社的にAIによる業務効率化、ソリューションの高度化を実施しています。

 たとえば、当社のAIを活用したマーケティングソリューションブランド「∞AI(ムゲンエーアイ)」の開発もSFで行っています。∞AIも、過去数年で動画、LP、SNSまで対応領域を拡張し、デジタルマーケティング業務全般を高速かつ高精度に回せる基盤として定着が進んでいます。​​​​

次のページ
組織間の浸透圧を日頃から合わせ、流動的に動かしていく

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
注目マーケティングトピックス2025連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

安光 あずみ(ヤスミツ アズミ)

Web広告代理店で7年間、営業や広告ディレクターを経験し、タイアップ広告の企画やLP・バナー制作等に携わる。2024年に独立し、フリーライターへ転身。企業へのインタビュー記事から、体験レポート、SEO記事まで幅広く執筆。「ぼっちのazumiさん」名義でもnoteなどで発信中。ひとり旅が趣味。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2025/06/26 09:00 https://markezine.jp/article/detail/49256

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング