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Google検索はもう終わりなのか?幹部たちが語った「質」で測る新時代【GML2025】

 2025年5月21日、Googleはアメリカのカリフォルニア州マウンテンビューにて、毎年恒例の広告主やマーケティング担当者向けの主要イベント「Google Marketing Live 2025」を開催、世界中に向けてライブ配信された。イベントにはGoogle幹部たちが登壇し、同社が2024年から2025年にかけて、検索体験をAIによって刷新してきたことが語られた。本稿では、Googleの幹部たちが語った発言を交えながら、AI検索を巡る現在の状況と、その影響について詳しく考察する。

「クリックの質は向上している」──Google幹部の発言

 Googleは今回、検索トラフィックの「質」が向上していることを繰り返し強調している。幹部らは、直接的なトラフィック量の数値には言及せず、あくまで「訪問の質」に話題を集中させた

 マーチャントショッピング部門の副社長であるジェニー・チェン氏は、次のように述べた。

 「私たちが確認したのは、人々がより多くの質問をするようになっているということ。まず質問をして情報を得て、それから別の質問をする。そうやってユーザーは情報を精査し、最終的にどのウェブサイトにアクセスするかを決めています」(チェン氏)

 Googleは、AI検索によってユーザーの検索クエリ数が10%増加したと報告している。そのため、個々のクリックは少なくなったとしても、クリックに至る前の情報取得プロセスが濃密であり、結果として「より意図の明確な訪問者」が得られるという論理だ。

「質の高さ」は証明されていない

 しかし、Googleはこの「質の向上」についての裏付けデータを提示していない。アメリカ地域・グローバルパートナー担当社長のショーン・ダウニー氏は次のように語った。

 「私たちが期待しているのは、サイトに訪問したユーザーがより長く滞在することであり、それが実現すれば、より価値の高い訪問者になるはずです。ただし、現時点ではこの点に関する具体的なデータは提供できません」(ダウニー氏)

 この「データがない」という事実は、マーケターやパブリッシャーにとって大きな不安材料である。Googleの主張は現状、希望的観測に過ぎず、検証が難しいのが実情だ。

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広告収益は安定、オーガニックは後退

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この記事の著者

岡 徳之(オカ ノリユキ)

編集者・ライター。東京、シンガポール、オランダの3拠点で編集プロダクション「Livit」を運営。各国のライター、カメラマンと連携し、海外のビジネス・テクノロジー・マーケティング情報を日本の読者に届ける。企業のオウンドメディアの企画・運営にも携わる。

●ウェブサイト「Livit」

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2025/06/13 09:30 https://markezine.jp/article/detail/49289

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