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Google検索はもう終わりなのか?幹部たちが語った「質」で測る新時代【GML2025】

広告収益は安定、オーガニックは後退

 Googleによると、AI Overviews(※)の導入によってオーガニック検索のクリック数は減っているが、広告のパフォーマンスはそれほど変化していないという。

(※)ユーザーの検索クエリに対して、生成AIモデル「Gemini」が回答を自動的に生成する機能

 Googleは、AI検索内での広告表示と従来の検索での広告表示を比較した結果について、「AI Overviews上で広告を表示した場合でも、標準検索での広告とほぼ同じ収益性が得られているという結果が出ています」と主張。この発言からは、Googleの広告ビジネスがAI導入後も堅調であることが伺える。

 一方、オーガニックトラフィックに依存していたパブリッシャーや中小のウェブサイトにとっては、広告を出稿しなければ可視性を失うという新たな課題が浮上している。

「検索」は会話型に進化中:SEO戦略の見直しが必要

 Googleによれば、検索クエリの形態自体が変わりつつある。ユーザーはより会話的で複雑な質問を行い、その文脈に基づいて情報を探す傾向が強まっている。YouTubeのプロダクトマネジメント担当 副社長のニッキー・レトケ氏は次のように語った。

 「AI OverviewsやAIモード(※)を導入することで、私たちはユーザーがより自然に情報を探せる手段を提供しようとしています。人間の好奇心は尽きることがなく、その検索意図も以前よりもはるかに会話的です」(レトケ氏)

(※)AIが生成した回答を検索結果に表示する機能

 また、「AIモード」においては“fanning technique(扇状展開)”という仕組みによって、1つの質問に対して多様な視点から情報を抽出し、より多くのウェブサイトが取り上げられる可能性があると説明した。

 この扇状展開とは、ユーザーが入力した1つの質問やクエリに対して、複数の関連質問や解釈の可能性を同時に広げる検索処理のことを指す。

 たとえば「ビジネスプランの作り方」と検索した場合、Googleはそれを「起業用のビジネスプランか?」「投資家向けのピッチデックか?」「業界別のテンプレートか?」など複数の文脈に“扇状に”展開して、様々なタイプの回答を裏で並行的に収集する。

 Googleはこの展開を通じて、単一のキーワードマッチに依存せず、関連性が高いが多様なソースからの情報を参照し、要約に反映する。

 パブリッシャーにとっては、1つのクエリが複数方向に展開されるため、これまで拾われなかったニッチな情報にも光が当たり、露出のチャンスが増える可能性がある

 こうした流れに対応するため、Googleはコンテンツ制作者やSEO担当者に以下のような対策を提案している:

  • ユーザーの質問に明確に答える構成
  • 動画コンテンツの活用
  • FAQやQ&Aセクションの拡充

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測定の不透明性:パブリッシャーの課題

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この記事の著者

岡 徳之(オカ ノリユキ)

編集者・ライター。東京、シンガポール、オランダの3拠点で編集プロダクション「Livit」を運営。各国のライター、カメラマンと連携し、海外のビジネス・テクノロジー・マーケティング情報を日本の読者に届ける。企業のオウンドメディアの企画・運営にも携わる。

●ウェブサイト「Livit」

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2025/06/13 09:30 https://markezine.jp/article/detail/49289

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