LINEの重点戦略を転換!DHCの取り組み
MZ:DHCのLINE施策においては、2024年8月から電通デジタルが支援に入ったとのことですが、どのような取り組みをされましたか?
須田:特に大きい転換点としては、全体配信からセグメント配信へと重点方針を変えたことです。具体的には、DHC会員様のIDとLINEのIDの連携状況に応じたリッチメニュー(LINEのトーク画面下部に固定で表示されるメニュー)のタブ切り替えを可能にし、会員ステータスに応じたコンテンツの出し分け、個別オファーの提示が可能になりました。
また、リッチメッセージ(画像やテキスト情報を一つのビジュアルにまとめ、簡潔で分かりやすい訴求を実現できる機能)においてスクロールを促すような表現を活用し、一度に複数の配信を行った場合のインプレッション向上を図ったり、ユーザー行動に連動した自動配信を行ったりしています。
MZ:ユーザー行動に連動した自動配信とは、具体的にどのようなものでしょうか。
須田:誕生日を迎えられたお客様に対して「今月買うとお得」というクーポンを提供したり、クーポンを付与されているけれど使用していないお客様に対してリマインドのメッセージを送ったりする配信を、自動的に行うものです。
最近は、アンケート回答によるプレゼント企画なども、DHC会員様のIDとLINEのID連携における促進施策として行っています。

高度なパーソナライゼーションを実現するために
MZ:電通デジタルとして、LINE活用支援で意識されたポイントを教えてください。
キム:特に重視した部分は、「何のために」という目的、そして「誰に対して」という対象者です。
LINE公式アカウントの友だち4,300万人以上といっても、中にいらっしゃるお客様は本当に様々です。たとえば、購入経験があるお客様とそうでないお客様、また購入経験がある方の中でも、オフライン店舗での購入はあるがオンラインでの購入経験がない方などもいらっしゃいます。キャラクター「タマ川ヨシ子(猫)」のファンだけど、購入経験はないといったお客様もいます。そういった一人ひとりのニーズに合わせた配信や情報提供を、常に意識しています。

キム:パーソナライズ配信強化のため、当社開発のLINE APIツールを活用いただいています。個別のお客様の購入状況や利用状況に応じたパーソナライズ配信を行うことができ、クーポンのリマインドや購入ステータスに合わせた優待のご案内なども可能です。タイミングと配信内容を最適化することによる、エンゲージメントの向上が狙いです。
ID連携についても、いくつかの施策を実施させていただきました。DHC会員様のIDとLINEのIDの連携を条件にスタンプやLINEポイント、クーポンなど様々なインセンティブを付与し、最も効果的な施策を検証。今後も、新しいインセンティブ施策の可能性も含めてPDCAを回していきたいと思っています。