広告接触者の指名検索率は非接触者対比58%高い、確実な貢献を可視化
──今回の取り組みによって、得られた成果をお聞かせください。
加藤:広告接触者と非接触者を比較した際の効果モデルを用いたスコアの分布を算出したところ、それぞれのボリュームゾーンに明確な違いが見られました。具体的には、YouTube広告接触者は非接触者対比で指名検索率が58%高いことが明らかに。YouTubeによる広告接触は指名検索率向上・指名検索数増加に寄与していると推察されます。
さらに社名検索への貢献を分析したところ、YouTube広告出稿期間における社名検索のインプレッションの内、YouTube広告接触者は約49%。社名検索のインプレッションの内、約18%の社名検索数を純増で獲得すること することに貢献していると推察されています。

広告接触が確実に効果を発揮していることがわかる興味深い結果でした。動画広告は認知には効果がありますが、それ以降の効果可視化は、DCRを使用しなければ実現できないことが多いのが現状です。動画広告の認知効果より深い部分まで分析し、短期的な直接貢献ではない、従来は中長期的な効果として捉えられていたブランディングの一部を、「指名検索」への変化という中間指標を通じて、定量的に評価し、PDCAのサイクルに組み込めるようになったことに大きな意味があったと思います。
「分析した」で終わらせない、結果をネクストアクションへ
──今回の内容を聞いて、自社でも指名検索数リフト分析を実施したいと考える企業もきっと出てくるのではないかと思います。ライフネット生命が今回の取り組みが成果につながったと考える要因があれば、お聞かせいただけますか。
青木:分析が無駄にならないようにすることを考えていました。そのため、まず適切なステップを踏んで進めているということを明確に示した上で、今回の取り組みが従来と比較して何が異なるのか、この分析結果を得ることによって、次にどのような展開が可能になるのかという点まで事前に整理して共有していました。
現時点で次のステップとして考えていることの一つに、動画クリエイティブの最適化が挙げられます。最適化により、指名検索数の向上にさらなる改善の動きが見られるのではないかと見込んでいます。

また、メディア最適化という観点も重要視したいと考えています。今回はYouTubeで実施しましたが、他の媒体ではどのような結果になるのかも気になるところです。