日本市場におけるNetflix広告事業の戦略
MarkeZine:日本の広告業界は特有の商流があるかと思います。こうした点を踏まえ、日本の広告事業をどのように伸ばしていくお考えですか?
田中:日本の広告業界の特徴として、広告主企業と広告代理店が良いパートナーシップを築いており、単なるバイイングエージェンシーではなく、クリエイティブ制作やプランニングの一部門のような役割を担っている点が挙げられます。よって、我々としては、広告代理店に対して、Netflix広告のバリューをお伝えしていくことが重要です。
もちろん、最終的な意思決定には広告主企業の理解が不可欠ですので、両者に対してNetflix広告の価値を体感いただけるようなコミュニケーションを図っていく考えです。
MarkeZine:最後に、Netflix広告の今後の目標をお聞かせください。
田中:私たちが重視しているのは、「量」ではなく「質」へのこだわりです。無料や低価格で見ているメディアで広告が流れてくるのは仕方ない、というような認識もあるでしょう。Netflixは、その「仕方ないもの」を「価値あるもの」に変えていきたいと思っています。

お話ししてきた通り、Netflixでは視聴体験が損なわれない広告配信、言い換えると「広告を含めた視聴体験」を追求しています。それは、広告のメッセージが受容されることにもつながるでしょう。だからこそ、安心して広告を配信でき、その効果も期待していただくことができます。メンバーの皆さんがコンテンツを見ている時に、広告も含めて「良かった」と思っていただける状態を目指していきたいです。