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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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注目マーケティングトピックス2025

【初取材】Netflixは広告プラットフォームではない。目指すのは「広告も含めた最高な視聴体験」


認知させるだけではない、ユーザーの心を動かす力がある

MarkeZine:ここまでのお話を踏まえると、Netflix広告はブランディング目的の出稿が主になるでしょうか?

田中:ファネルで言うとミッドファネル、具体的には「検討意向(Consideration)」や 「購入意向(Purchase Intent)」といった指標において高いリフトが見られることが多いです。

 たとえば、金融サービスの広告の事例では、カンター社とのブランドリフト調査で、検討意向が業界平均の0.3%に対し14%アップという結果が出ました。ブランドを「知ってもらう」(アッパーファネル)だけではなく、その先の「興味を持って検討する」「実際に購入を考える」という段階で、メンバーの心を動かせていると言えます。

 現在はブランディングやアッパーファネル、ミッドファネルの部分からスタートしていますが、コンバージョンなどさらに下層の指標についても計測できるように開発を進めていく計画です。

 ちなみに、海外メディアでは最近「Netflixエフェクト」という言葉が使われています。これは、Netflixに出演したタレントのソーシャルフォロワーが数十倍になったり、『イカゲーム』の緑のトラックスーツが爆発的に売れたり、ロケ地の聖地巡礼が起こったりと、Netflixから新たなトレンドが生まれ、その影響が大きいことを示す言葉です。広告主企業においては、こうした副次的な効果も見逃せないのではないでしょうか。

広告の在庫は拡充、日本でもプログラマティック配信がスタート

MarkeZine:Netflix広告はスタート当初、広告在庫の不足が問題となっていました。7月には日本でもプログラマティック配信もスタートしており、この問題は解消されたと認識していますが、実際どのような状況でしょうか?

田中:広告の在庫は十分にあります。これには広告プランに契約しているメンバー数の増加が影響していますが、実はもう1つ重要な要因として、視聴者が見たい様々なジャンルの作品群が広がり、クオリティの高い作品が多いことも強く影響しています。

 大きく話題になる作品は、新規メンバーや解約をしているメンバーを呼び起こし、個々のメンバーの視聴時間を伸長させます。広告在庫を拡充するためには、やはり作品の力が不可欠なのです。

 そして、7月から日本でも主要なDSPからのプログラマティック配信が可能になりました。特にこの数週間、Netflixで広告が配信される機会が増えたと感じていらっしゃる方もいるかもしれません。実際、海外の広告主がプログラマティックで日本に広告を配信するケースも増えています。

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日本市場におけるNetflix広告事業の戦略

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/08/21 19:11 https://markezine.jp/article/detail/49516

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