読売広告社は、生活者のAI利用が購買行動にどのような影響を与えているかを可視化する目的で、「AI検索時代の生活者行動変化に関する調査」を実施した。
対応の優先度が高いカテゴリーは、旅行・家電・金融・食品・ヘルスケア
まず、カテゴリー別のAI利用率×意思決定に対するAI影響度を調査。利用率・影響度の両面で優先度が高く早急な対応が求められるカテゴリー(右上)として、「旅行」「家電」「金融」「食品」「ヘルスケア」が挙げられた。利用率は高くないが影響度は高く、今後伸長していくカテゴリー(左上)は、「美容」「ギフト」となった。
AIの「利用頻度」と「影響度合い」にズレ
次に、購買フェーズごとのAI利用率×意思決定に対するAIの影響も可視化した。すると、生活者が「AIを利用する段階」と「AIから影響を受ける段階」にはズレが生じている様子がうかがえた。
利用頻度が最も高いフェーズは「2.選択肢把握」や「3.比較検討」だが、影響度が最も高いのは入り口の「1.何を選べばいいか分からない時」だった。特に、「2.選択肢把握」は利用頻度こそ高いものの、影響度は最低水準に。とりあえずAIに尋ねてみるが、最終的な決め手にはなりにくい段階であることがわかった。
カテゴリー別の概要
さらに、同調査では11の主要カテゴリーを対象に、実際のAIへの質問とAIの回答から受ける影響度を詳細に分析した。結果、カテゴリーごとにAIの役割が異なることが明らかになった。
※利用率=事前調査の検討者ベース(n=8,298)/影響度=本調査の10点満点平均/有効回答数=意図分析の対象となった自由回答(プロンプト)数
カテゴリー別サマリー(利用率順)
【旅行】有効自由回答数229件/利用率35.3%(最多)/影響度5.16
「旅行」は、AI利用率が全11カテゴリー中で最高だった。希望条件を伝えて旅程全体の設計を委ねる使い方が浸透している他、複数の経由地を渡したルート計算や複雑な条件の宿探しをさせるなど、AIがツアープランナーの役割として使われている。
【金融商品】有効自由回答数184件/利用率30.1%/影響度5.29
「金融商品」は、高額カテゴリー(自動車・不動産・金融)の中で購買影響度が最高だった。NISAや個別銘柄など専門知識が必要な領域において、意思決定のサポートツールとしてAIが用いられている。
【家電・PC】有効自由回答数205件/利用率29.8%/影響度5.52(最高)
「家電・PC」は影響度が全カテゴリー中で最高だった。家電は価格や機能が複雑で、かつ種類も豊富にあるため、生活者は求める条件を渡してAIに候補をまとめさせたり、複数の商品同士をAIに比較させたりしている。
【ヘルスケア】有効自由回答数133件/利用率29.2%/影響度5.16
「ヘルスケア」は、主に「効能確認」や「症状相談」に使われている。価格よりも効果について質問しているのが特徴であり、加齢などの身体的な悩みを起点に、AIを通じて対処法を知る使い方が目立つ。
【食品・飲料】有効自由回答数187件/利用率28.8%/影響度5.33
「食品・飲料」のカテゴリーでは、生活者は特定の食材レシピ、今日の献立候補、栄養管理の方法などを相談している。接触頻度が高く、日常的にAIを頼る習慣が根付いている領域といえる。
【美容】有効自由回答数214件/利用率24.0%/影響度5.38
「美容」は、肌や髪の個人的な悩みを起点に、自分では知らなかった解決策に出会う使い方が中心である。生活者にとってAIが深いコンプレックスや文脈を打ち明けられる「パーソナルな相談相手」として機能している。
【自動車】有効自由回答数131件/利用率23.0%/影響度4.74
「自動車」は、高額かつ長期保有する商品ゆえ、購入前の「不安払拭」と「妥当性の検証」にAIが多用されている。複数車種のデメリット比較や、提示された価格の妥当性チェックなど、セカンドオピニオンの役目として機能している。
【日用品・トイレタリー】有効自由回答数177件/利用率22.8%/影響度5.04
「日用品・トイレタリー」の使われ方は「具体的な悩みに関する相談」「求める条件に合致する商品の探索」が中心となっている。相談内容は多岐にわたり、日々のあらゆるトラブルを解消するアドバイザーとして機能している。
【ギフト】有効自由回答数187件/利用率21.3%/影響度5.28
「ギフト」では、贈る相手の個性や贈るに至った経緯をAIに詳細に渡し、商品を提案させる使い方が中心である。特に、自分とは年代や性別が離れている相手の場合に使われている。
【ゲーム】有効自由回答数166件/利用率19.9%/影響度4.89
「ゲーム」では「購入後のAI利用」が突出している。ゲーム内の攻略方法や操作方法の相談が目立ち、AIが購買決定を後押しする役というよりも、プレー時の楽しさを高めるサポート役として使われている。
【住宅・不動産】有効自由回答数146件/利用率18.6%(最低)/影響度4.96
「住宅・不動産」は「価格の妥当性」や「相場・査定」といった、物件選定における確認の質問が中心である。AIを「利害関係のない客観的な不動産コンサルタント」として活用し、セカンドオピニオンを求めるニーズが高い。
【調査概要】
調査名:AI検索時代の生活者行動変化に関する調査
調査手法:インターネットリサーチ(Fastaskパネル)
調査時期:2026年6月15~6月19日
調査対象者:AI検索・生成AIを月1回以上利用し、直近1年以内に当該カテゴリー検討時にAIを利用した20~60代男女
サンプル数:事前調査15,402サンプル/本調査4,845サンプル(ユニーク2,444人) (各カテゴリー約440名)
有効自由回答:1,959件(プロンプト=意図分析の対象)
対象カテゴリー:自動車、住宅・不動産、金融商品、家電・PC、旅行、美容、ヘルスケア、食品・飲料、日用品・トイレタリー、ゲーム、ギフト
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