生活者の行動変容や習慣形成まで含めた体験設計を
──直近20年の歩みを振り返ったとき、ブランドとして変わったこと、変わらなかったことをどう整理されますか?
最も大きく変わったのは、ブランドと生活者の関係性だと思います。2006年頃は、企業が情報を発信し、生活者が受け取るという構造が中心でした。しかしSNSの普及やデジタル接点の拡大によって、生活者自身が情報を選び、発信時にはブランドの価値形成にも参加する時代になりました。
一方で、ビオレが変わらず大切にしてきたのは、生活者の暮らしの本質的な課題に向き合う姿勢です。時代や接点は変わっても、「生活者の毎日をより快適で前向きなものにする」という使命は変わりません。私たちは商品を売るのではなく、生活者のより良い暮らしを実現する価値を届ける存在でありたいと考えています。
2005年花王入社。セールス部門や、スキンケアブランドのキュレルとビオレ、ヘアケアカテゴリーのマーケティング担当を経験したのち、2023年にビオレのブランドマネジャーに就任。製品イノベーションを通じた社会課題解決型のマーケティング活動を推進。2026年より現職
──この20年で生活者を取り巻く環境も大きく変わりました。それに応じて、コミュニケーション施策はどのように変化しましたか。
この20年で、マーケティングは「伝えること」から「体験をつくること」へと重心が移ったと感じています。かつてはマスメディアを通じた認知拡大が中心でしたが、現在は生活者自身が情報を選び、発信する時代です。一方的なメッセージよりも、実体験や共感できる価値が重視されるようになりました。
この変化によって、メーカーにはより高いレベルのものづくりが求められるようになったとも感じています。生活者が自ら発信する時代だからこそ、本当に満足いただける商品でなければ選ばれない。感動体験を提供できなければ、推奨や共感の輪も広がりません。
ビオレでも、商品の機能価値だけでなく、生活者の行動変容や習慣形成まで含めた体験設計を重視してきました。マーケティングとものづくりは別々の活動ではなく、一体となって価値を届けるものだと考えています。
グローバルでの成長も。世界中の生活者に新たな価値を届けていく
──これからの時代に向けて、チャレンジしたいことを聞かせてください。
社会や生活者の価値観の変化は、これまで以上に速くなっています。AIをはじめとする技術革新によって生活者との接点も多様化し、企業には変化を捉え続ける柔軟性と、時には自ら変化をつくり出す大胆さが求められていると感じています。
ビオレもこれまで培ってきた強みや大切にしてきた価値観は守りながら、生活者起点で進化し続けるブランドでありたいと考えています。また、今後はグローバルブランドとしての成長にもさらに挑戦していきたい。地域ごとに異なる生活習慣や価値観に向き合いながらも、生活者のよりよい暮らしを実現したいという想いは世界共通です。
商品だけでなく、サービスや体験、さまざまなパートナーとの共創を通じて、より良い習慣づくりや社会課題の解決に貢献し、世界中の生活者に新たな価値を届けていきたいと考えています。
──ビオレが世界中の生活者に届けていく体験、これからも楽しみにしています。ありがとうございました!
