ロングセラーブランドは生活者のもの
──日清食品は即席麺メーカーとして市場を牽引するとともに、生活者に驚きを与え続けてきました。直近20年の歩みを振り返り、事業において変わったことや、変わらず大切にされてきたことを教えてください。
生活者の価値観や社会環境に合わせて、ブランドに求められる役割が大きく広がりました。
「カップヌードル」を例にすると、環境に配慮した容器「ECOカップ」への切り替えや、「カップヌードルPRO」のような健康ニーズに応える商品の発売など、時代に応じてブランドの周辺価値を進化させてきました。
一方で、変わらないのは「ブランドの軸」です。ロングセラーブランドは企業のものではなく、生活者のものだと考えています。だからこそ、味やデザイン、ブランドの世界観など、お客さまが愛着を持つ本質的な価値は守り続けています。そのうえで、小さな改良や新しい提案を積み重ね、ブランドの鮮度を保ち続けることを大切にしています。
食べてみたい、試したい、共有したい…記憶に残る広告を
──この20年で情報環境も大きく変化しました。広告・コミュニケーション施策をどのように変化させてきましたか。
2006年頃は、テレビCMを通じて幅広く認知を広げることが、まだ広告の中心的な役割でした。しかし、SNSが普及した現在は、一方的にメッセージを届けるのではなく、ターゲットごとのコンテクストを意識し、SNS上でどう語るかまで含めて、ブランドコミュニケーションを設計する時代になりました。
広告そのものが生活者の記憶に残り、共有されることが重要であり、そのため、思わず考察したくなる要素や、SNSで話題のコンテンツ、ネットミームなどを取り入れながら、日清食品らしさを加え、何度も見返したくなるような“クセになる面白さ”を追求してきました。
一方で、単に話題になれば良いのではなく、やはり「広告は商品を売るためのもの」です。美味しさや試してみたいと思える価値をきちんと伝え、ブランド(商品)を中心に据えたコミュニケーションを強く意識しています。
日清食品は即席麺メーカーの枠を超えていく
──これからの時代に向けて、日清食品が挑戦したいことをお聞かせください。
今後は、「食を通じてどんな価値を提供できるか」がより重要になると考えています。
AIの普及によって誰でも効率的に情報を得られる時代だからこそ、商品の機能だけではなく、人の感情を動かし、「誰かに話したくなる」「また食べたくなる」といった行動につながるブランド体験の価値がさらに高まっていくはずです。
日清食品でも、単に商品を作って売るだけでなく、「完全メシ」をはじめ、食を通じてWell-beingの向上に貢献する取り組みを進めています。即席麺メーカーという枠を超えた「FUTURE FOOD CREATOR」として、新たな食の創造を通じて社会課題の解決に貢献し、人々をもっと健康に、もっとハッピーにしていきたいと考えています。
──ありがとうございました!
