信頼できるパートナーとして、テクノロジーで熱狂を支える
MZ:スポーツマーケティングを展開する中で、ブランドとして大事にしていることはありますか。
竹内:熱量の高いファンとつながることで、私たちも「テクノロジーで熱狂をサポートしていく」というパーパスを伝えることを大事にしています。「信頼できるテクノロジーパートナー」として、失敗は許されません。日々の取り組みが長期的なブランド価値の向上へ貢献することを期待しています。
F1のハブとなるデータセンターはイギリスにあります。日本ではテクノロジーセンターが鈴鹿にあり、この他にもイベントや大会を運営するため世界各地に23拠点のオペレーションセンターがあります。F1は、どの拠点でも同質のテクノロジーやサービス、体験を提供するために、機材や設備とオペレーター、スタッフも含めてパッケージとして、世界中をまるでサーカス団のように巡業しています。
レノボは今まで4年間、各拠点のスポンサーシップを行ってきた積み重ねで、より安全で正確なサービスを提供できるF1のグローバル・テクノロジー・パートナーの役割を担っています。
レノボ・ジャパンとして考える、スポーツ領域に注力する価値
MZ:スポーツマーケティングは、数字や売り上げに直接つながりづらく、懐疑的な目線もあると思います。説得力を持って推進するための社内の土壌や意識作りはどう取り組まれていますか。
竹内:業界的な価格競争への対応や、ビジネスとしても短期的な売り上げが重要な面はもちろんあります。一方で、「Smarter Technology for All」の価値提供に注力する意味では、長期的にブランドの価値を高めることにもフォーカスしています。
当社では四半期に1回、イノベーティブな企業としての認知や幅広いITソリューションサービスを提供する会社としての認識度合いなどをグローバルで調査しています。また、レピュテーションサーベイを定期的に行い、企業の総合的な評判や、コーポレートシチズンシップ、サステナビリティや社会問題に対する取り組みでリーダーシップを発揮できているかなども定点観測しています。
その中でも、日本は継続して各指標が伸びており、グローバルで高評価を得られています。その要因としてF1へのスポンサーシップの取り組みが必ず出てくるので、大きく貢献できていますし、継続は力なりと考えています。

MZ:確かに一般の生活者の方への認知拡大において、スポーツはサステナビリティや社会課題より身近に感じていただけやすそうです。
竹内:スポンサーシップを最初の窓口として、その後にサステナビリティへの取り組みやイノベーションへの投資、AIへの貢献などに興味を持っていただけています。
またスポーツファンの方にとっては試合の勝敗だけでなく、会場での一体感や興奮、熱狂を体験できることが非常に重要です。会場にいない人々がその熱狂を体験することも、テクノロジーで実現が可能となります。テクノロジーはスポーツの楽しみ方を変える可能性をまだまだ秘めていると思います。
MZ:最後に、今後に取り組んでいきたいチャレンジをお聞かせください。
竹内:幅広いデバイスやテクノロジーの進化で、当社の提供価値はより広がっていくと思います。スポーツには、ファンや観戦者だけでなく、関係者や選手、レフェリー、メディカルサポートスタッフなど関わる人が幅広く存在します。そういったスポーツに関わる人々に対しても、テクノロジーでより良いパフォーマンスをサポートしていきたいと考えています。
本日お話ししたようなスポーツ領域の取り組みを通じて、デバイスメーカーにとどまらない、総合的なITソリューションブランドとしての認知の拡大を推進し続けたいです。
MZ:今後のスポーツ領域でのチャレンジも楽しみです。本日は貴重なお話をありがとうございました。
