2025年9月2日、博報堂DYホールディングス、博報堂テクノロジーズ、松尾研究所の3社は、広告運用現場の効率化とパフォーマンス最大化を目的としたAIエージェント「RSA広告自動組み合わせ生成エージェント」の共同開発を発表した。
このAIエージェントは、事前に用意された複数のタイトルと説明文から最適な組み合わせを自動で選び出し、検索連動型広告であるRSA広告の作成プロセスを大幅に短縮できる。従来は、膨大なパターン検証や文字数制限、多様な表現案の組み合わせを見つけ出す作業に数時間から数日かかっていたが、本エージェントにより数分程度で出力可能となる。
この背景には、2025年4月に3社が共同で開発した広告特化型の大規模言語モデル(LLM)がある。今回のAIエージェントは、この技術をRSA広告に特化して活用したもので、コピーライターの運用負荷軽減とクリエイティブの迅速な制作を目指す。
エージェントは大きく3つの機能で構成される。
- 見出し生成エージェント:ランディングページの情報をもとに、業種推定とSWOT分析を通じてUSP(Unique Selling Proposition:その商品・サービス独自の強み)を抽出、コアターゲットの分析結果から、見出し案を自動生成する。
- リファイン(品質担保)エージェント:規定文字数以内への自動リライトとファクトチェックを行い、品質担保を図る。チェック強度は3段階から選べる。
- 選定エージェント:生成した広告文案を14種の訴求軸にラベル付けし、各訴求軸を最低1つ含み、かつ品質・関連性が最も高くなる最適な10案を自動選定する。
これにより、広告文の多様性や品質向上も期待できる。AIエージェントを使わずに作成した場合と比べて、見出し案の多様性は6.2%向上したという。
今後は、博報堂DYグループの統合マーケティングプラットフォーム「CREATIVITY ENGINE BLOOM」への実装を予定している。また、画像・動画サムネイルとの統合生成など、マルチモーダル拡張を視野に共同研究を継続する。
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