Xはニュース性、Instagramは美容好き向け、YouTubeはエンタメ要素を取り入れる
――運用されているSNSの種類が非常に多いですが、どのように使い分けているのでしょうか。
髙橋:運用に優先順位をつけています。現在最も注力しているのはYouTube、Instagram、Xの3つです。Xに関しては、とにかく速報性を重視しています。投稿文と画像4枚以内でしか伝えられないので、ニュース性のある情報を素早く届けることを心がけています。

一方、Instagramはフィード投稿とリールを使い分けています。フィード投稿では、速報性と詳細情報を両立できるように、新作コスメの色味や使用感を詳しくお伝えします。リール動画ではライトなコンテンツを制作し、美容初心者やVOCEをフォローしていない人にも楽しんでもらえる内容を意識しています。
鎌田:一般的に言われる各プラットフォームの特性をベースに置きつつ、実際にどのコンテンツに反応がいいかを見ていって、各VOCEアカウントのフォロワー属性を把握するようにしています。
その上で、Instagramは美容好きのフォロワーが多いため、美容好きに向けた気持ちを潤すようなコンテンツ。Xは美容好きも多いですが、より広く情報を集めている方など属性が広いメディアだと捉えています。
渕:YouTubeは現在、VOCEのデジタルメディアの中で最もクオリティの高いコンテンツを作れる場になっています。コスメ好きが求める動画コンテンツとして、かなりレベルの高いものを提供できていると自負しています。今後は、コスメに興味がない人でも番組として面白いと感じてもらえるように、エンタメ要素を強化していきたいと考えています。たとえば、オーディション番組を制作・公開予定です。
データ分析で勝ちパターンを見出す
――複数のプラットフォームを運用する中で、どのような効果計測や分析をされているのでしょうか。
鎌田:週次・月次・半期でPDCAサイクルを回しています。同じクオリティのコンテンツを同じタイミングで複数のプラットフォームに投稿した結果や、他アカウントの反応も比較分析した結果などから各プラットフォームのユーザー特性や自社のポジションが見えてきます。これは本当に継続が大事です。

髙橋:たとえば、TikTokで成功するコンテンツはInstagramでも伸びる傾向にありますが、その逆は必ずしも成り立たないという法則を発見しました。最近の成功例では、「前髪スティック」に関するショート動画がTikTokで93万を超える再生を記録し、約3万いいねを獲得する成果を上げました。
また、分析から見えてきた傾向としてプチプラコスメとショート動画の相性の良さがあります。一方で、VOCEの読者は単にプチプラの情報に反応するわけではないこともわかっています。
