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MarkeZine Day 2025 Retail

MarkeZine Day 2025 Autumn(AD)

アサヒ飲料などの事例を紹介!LINEミニアプリを活用した「ユーザーの行動を促す」マーケティング

 のべ2億人以上のユーザー基盤を持つLINEヤフーは、さまざまなサービスやデータ活用により、企業と顧客のつながりをより深いものに進化させてきた。そんな同社のサービスの中で今注目されているのが「LINEミニアプリ」だ。LINEミニアプリによって、マーケティングに大きな変革とチャンスが訪れようとしている。2025年9月に開催されたMarkeZine Day 2025 Autumnでは、LINEヤフー ミニアプリ事業開発ユニットを統括する、ユニットリードの谷口友彦氏が登壇。LINEミニアプリを活用した、ユーザーの行動を促すマーケティングで顧客体験を向上させる方法を事例を交えて紹介した。

LINEミニアプリとは?活用が広がり、生活の様々なニーズの受け皿に

 LINEミニアプリは、店舗・企業がLINE上で自社サービスを提供できるアプリプラットフォーム。LINEミニアプリ上でのサービスリリース数は25,000を超え、MAU(月間アクティブ利用者数)も1,700万人を突破している(2025年8月時点)。

 現在LINEミニアプリで提供されている機能は多岐にわたっており、その活用は飲食店でのモバイルオーダーや順番待ち、アパレルの会員証などに加え、最近は行政やスポーツエンターテインメントの領域にも広がってきている。まさに、生活のあらゆるニーズに対応するプラットフォームだ。

 では、既存の自社アプリとLINEミニアプリの違い、LINEミニアプリの具体的な有用性は何だろうか。マーケティングの観点で、他社事例も参考にしながら見ていこう。

 違いとしてまず大きいのは、ユーザー側の利便性である。一般的に自社アプリでは、アプリをダウンロードし、ID・パスワードを作成、必要情報を登録して、ログインするというように、サービス利用までに必要なステップが細々とある。その点、LINEミニアプリではまずダウンロードが不要。また、LINEのアカウント情報と連携されるため、ユーザーは登録作業をせずとも、すぐにサービスを利用することができる。

 その他、企業側のメリットとしては、自社アプリと違い審査なしでローンチできる点、開発費用のコストを大きく削減できる点などがある。

自社アプリとLINEミニアプリを併用している企業も

 とはいえ、「既に自社アプリを運営しているため、LINEミニアプリを新たに導入する必要はない」と考える企業もいるかもしれない。しかし、「顧客にアプリをダウンロードしてもらう」という最初の壁にぶつかっている企業も多いのではないだろうか。

 「アンケートによると、お店でアプリのダウンロードを断った経験がある方は約7割に上ります。会場の皆さんもいちユーザーとして、アプリのダウンロードを促され迷った経験があるのではないでしょうか」(LINEヤフー谷口氏)

 先に説明したとおり、LINEミニアプリはダウンロード不要で使えるため、ユーザー側でのハードルが低い。そのため、自社アプリをダウンロードしてもらう前に、まずLINEミニアプリでサービスを体験してもらうといった活用の仕方もある。

 実際に、LINEミニアプリでライトカスタマーを獲得し、ロイヤルカスタマーへと育成している企業もあるようだ。結果的に自社アプリのダウンロードにもつながっているという。

購買、会員登録など「LINEミニアプリ」でユーザー行動を促している例

 加えて、LINEヤフーの谷口氏は、マーケティングにおけるLINEミニアプリ活用の利点として「ユーザーの行動を促せること」を挙げる。

 谷口氏は「LINEミニアプリでは、販促キャンペーンから会員証、ゲームに至るまで、非常に幅広いコンテンツやサービスを展開し、様々な角度から顧客とのタッチポイントを創出することができます」と話し、2社のLINEミニアプリ活用例を紹介した。

購買を促す事例:アサヒ飲料 WONDAメンバーズクラブ

 1つ目は、アサヒ飲料 WONDAメンバーズクラブによる事例。商品の販売促進とCRMの両方に繋がるような活用方法である。

 具体的には、製品に付いている2次元コードを読み込むとLINEミニアプリでポイントが付与され、ポイントが貯まると、抽選キャンペーンへの参加が可能に。購入本数が増えるほどアップするランクに応じて特典が得られ、継続的な購買促進につながるという仕組みになっている。

 ユーザーが日常的に利用しているLINEだとキャンペーン応募のハードルが低くなるほか、LINEは基本的に1ユーザー1アカウントであるため不正応募も防止できる。LINEミニアプリを活用したこのようなキャンペーン施策は、直近でも非常に増えているそうだ。

ユーザーによるシェアを促す事例:VS Games『ぐうぴょん』

 2つ目は、リリースから継続的にユーザーを伸ばしているゲーム『ぐうぴょん』の事例。VS GamesがLINEミニアプリ上で展開しているものだ。

 ゲームのスコアを友だちにシェアすると新しいキャラクターがもらえる設計になっていることが、ユーザー数拡大の要因。アプリダウンロードや会員登録も不要であるため、シェアされた友だちはそのままゲームを始めることができる。新規ユーザーの獲得だけでなく、継続利用にもつながっているという。

 LINEは日常的に使われているプラットフォームだからこそ、使用する際も、友だちにシェアする際も、ユーザー側に無理のないサービス導線が実現する。

LINEミニアプリのデータを基に、コミュニケーションを深化

 また、行動データを利活用できる点もLINEミニアプリの強みとして挙げられる。たとえば、LINEミニアプリで得られたデータを基にセグメントし、属性に応じて最適なコミュニケーションを行うことが可能だ。

 具体的には、店舗利用時のデータをLINEミニアプリで管理・分析し、新商品や展開中のキャンペーン情報、誕生日クーポンなどを配信することで、CRM向上に繋げている例が複数ある。これについても、実際の活用事例が紹介された。

購入データを連携させたCRM施策事例:ヌボー生花店

 ヌボー生花店では、LINEミニアプリの会員証のデータに購入データを紐づけて分析することで、ユーザーが自宅用もしくはギフト用どちらのニーズを持っているのかを把握。それに応じてメッセージの配信を最適化している。

 また、一定期間来店がない顧客や会員ランクが落ちそうな顧客に絞って「離脱顧客向け」クーポンを送付するなどの施策も行っており、多くのユーザーがこのクーポンを利用しているという。

AIを活用し顧客接点の創出&効率化を実現している事例:バディカダイレクト

 バディカダイレクトでは、LINE公式アカウントとAI、さらに自社の中古車在庫データを連携させることで、ユーザーとの会話を通じて最適な車の提案をしている。たとえば、希望の条件を伝えると、AIが在庫データから該当する車を自動で提案し、窓口での引き継ぎや車購入の相談までサポートができるような仕組みを設計しているそうだ。

 結果として、問い合わせは20万件以上、AI経由のリード獲得率は10%を超える結果に。さらに、この問い合わせを通じた月間の成約数は20台超に達したという。AIと各企業が持つ独自の情報やデータを掛け合わせることで、さらに独自の価値が生み出せるようになっていくだろう。

 「ご紹介してきたように、LINEミニアプリは使い方次第で、様々なマーケティング成果をあげることができます。また、LINEミニアプリのデータをLINE公式アカウントと組み合わせて活用することで、継続的に行動を促す仕組みを構築することもできます。一過性の接点にとどまらず、多岐にわたるシーンで接点を作り、関係性を深められるのがLINEミニアプリの大きな特徴と言えるでしょう」(LINEヤフー谷口氏)

LINEヤフー株式会社 コーポレートビジネスカンパニー 経営企画・事業開発統括本部 ミニアプリ事業開発本部 本部長 谷口友彦氏
LINEヤフー株式会社 コーポレートビジネスドメイン ミニアプリ事業開発ユニット ユニットリード 谷口友彦氏

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「LINEタッチ」も近日リリースへ!LINEヤフーが進めるConnect One構想

 最後に谷口氏は、LINEミニアプリの展開について紹介した。

 LINEミニアプリを利用するユーザー側と活用する企業側、双方の利便性や効率性が高まる機能拡充が計画されているようだ。今後は次の3つの軸で機能やサービスを強化していくという。

1.トラフィック強化:2025年7月末にLINEウォレットタブにLINEミニアプリ領域が追加され、強力な流入導線が確立された。10月には検索機能が大幅改善され、LINEミニアプリ専用領域の設置や検索上位表示が実現される。

 さらにApp StoreやGoogle Playのように、ユーザーが新たなLINEミニアプリを探しやすくなるようなLINEミニアプリプラットフォームもリリース予定である。

2.マネタイズ強化:2025年7月にLINEミニアプリ内広告、8月にLINEミニアプリ内課金がリリースされた。今後はスマホ決済・クレジットカード決済機能を実装予定で、一度入力した決済情報を他のミニアプリでも利用可能となり、コンバージョン率の大幅向上が期待される。

3.フリクションレスなUXの推進:既にチャネル同意簡略化により初回利用時の離脱率を低減し、クイック入力で個人情報の自動入力を実現している。さらにマルチタブビューにより複数のLINEミニアプリの同時利用も可能となった。

 フリクションレスなUXの推進に関して、LINEタッチの提供も今後開始予定だ。ユーザーがスマートフォンをかざすだけでLINEのサービスにクイックにアクセスできるような仕組みになっており、ワンタッチでLINE公式アカウントの友だち追加やLINEミニアプリの起動などができる。店舗やイベントの現場での顧客体験がさらにスムーズになり、タッチするだけでLINEにつながる、そんなフリクションレスな体験を実現される。

 セッションのまとめとして、谷口氏は次のように語った。

 「企業には開発・運用コストを削減しながら、自社アプリと同等の高品質な体験の構築と提供を、ユーザーには普段使っているLINEからさまざまなサービスを直感的に利用できる快適さを――LINEミニアプリは企業とユーザーの双方に価値を提供できるソリューションです。

 今後LINEヤフーでは、あらゆるユーザー体験をサポートし、LINE公式アカウントを中心にLINEヤフーの保有する様々な法人向けサービスを連携させ、集客から予約、購買、CRMまでを一気通貫で実現するConnect One構想を実現していきます」(LINEヤフー谷口氏)

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この記事の著者

和泉 ゆかり(イズミ ユカリ)

 IT企業にてWebマーケティング・人事業務に従事した後、独立。現在はビジネスパーソン向けの媒体で、ライティング・編集を手がける。得意領域は、テクノロジーや広告、働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:LINEヤフー株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2025/11/17 10:00 https://markezine.jp/article/detail/49880