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人間のクリエイティビティとパッションが「ロジックの壁」を超える、AI時代の事業開発手法

AIが進化しても新規事業の成否は「パッション」が鍵を握る

 セッションの最後に中原氏は、新規事業開発における重要な要素として「パッション(情熱)」を挙げた。AIやロジックを語った後になぜ情熱なのか?会場の空気を代弁するかのように中原氏は、精神論ではないと断言する。

 「私たちは広告会社として、“人の心を動かす”ことを追求してきたからこそ、パッションは作るものであり、伝えていけるものだと思っています。『FusiONE』では、長年培ってきた情熱を社内外に浸透させるためのノウハウをもとに、パッションの生み出し方・伝え方に重点を置いたアプローチを行っています」(中原氏)

 中原氏が示したのは、情熱を偶発的な産物ではなく、意図的に「作り、伝える」ための具体的な方法論だ。

 一つが「自己説得(Self-Persuasion)」である。他者から与えられた論拠よりも、自ら考え出した主張のほうが、人は強い納得感とコミットメントを抱く。この心理的特性に基づき、「FusiONE」では答えを提示するのではなく、ワークショップ形式で顧客と「共創」するプロセスを重視する。事業担当者が自らアイデアを生み出す過程そのものが、プロジェクトを推進する当事者としてのパッションを醸成するのだという。

 もう一つが「シンボルの力」だ。プロジェクト名やロゴといった「外向きのシンボル」は、メンバーの組織へのコミットメントとパフォーマンスに強い影響を与えることが研究で示されている。特に、プロジェクトの中心人物が命名に関わることで、事業への思い入れは格段に深まる。シンボルは、関係者の帰属意識を高め、パッションを伝播させるための強力な装置となる。

 AIが思考を補助し、ロジックとクリエイティビティの壁が溶け合う時代。だからこそ、事業を最後までやり抜く原動力となる人間の「パッション」が、最終的な成否をわける。そしてそのパッションとは、精神論ではなく、人の心を動かす知見に基づいて設計できる戦略的な要素なのだ。新たな事業開発のあり方を力強く示し、中原氏は講演を終えた。

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この記事の著者

古田島 大介(コタジマ ダイスケ)

 1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、エンタメ、カルチャー、web3、NFTなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社博報堂DYホールディングス

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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2025/10/29 10:00 https://markezine.jp/article/detail/49920

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