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無印良品公式アプリ全面リニューアルの裏側とは?何を変え、何を守ったかOMOとCRMの観点から解説!

メールアドレス登録の必須化を敢行

 アプリのリニューアルにあたって掲げたコンセプトは「ちょうどいい、に出会う。あなたの暮らしのパートナー」だ。その実行に向けて大きな変革を行った。

 「暮らしのパートナーという立ち位置は、無印良品そのものである考えています」と語る水野氏。アプリの名称をシンプルに『MUJIアプリ』に変え、ビジュアルもシンプルにしていった。加えて、パーソナライズ機能も実装した。

 「衣料品・生活雑貨・食品など多数のアイテムを有する無印良品において、顧客の嗜好やライフスタイルに寄り添う情報提供はアプリのコアと考えています」(水野氏)

 多数の商品からパーソナライズして届けていくことは、良品計画にとってひとつのチャレンジだ。さらにメールアドレスの必須化という大きな決断も下した。生活者が企業へ個人情報を提供することへの負担感、忌避感を理解した上で、顧客理解の深化と店舗での登録オペレーションの負担を最小化するために、メールアドレスのみの取得に振り切った。

 さらに、会員証とメディアの統合も大きなテーマとなっていた。店舗では会員証をすぐ表示して決済したいというニーズが非常に高い。一方で、良品計画としては店舗以外でもアプリを見てほしいと考えている。店舗での取り出しやすさと、日々の暮らしのアクセス性を両立するために考案されたのが、画面下部にメディアが表示され、上部に会員証のバーコードが常に見える状態を保つUIだ。

 MUJIアプリのUI
MUJIアプリのUI

 上にスワイプすればメディアを全画面で閲覧でき、下にスワイプすれば会員証が前面に出る。水野氏は「アプリのユニークネスを表現するもの」と話す。高橋氏も「本当に新しいつくりになっているので、ぜひ皆さんも一回インストールして見てもらいたい」と呼びかける。

無印良品の哲学「これでいい」を体現した会員プログラム

 アプリと同時に、会員プログラムも同時にリニューアルされた。「自分にも、誰かにも、社会にもいいこと」をコンセプトに、「MUJIマイルサービス」から「MUJI GOOD PROGRAM」へと名称を変更。最も重視したのは、わかりやすく、誰もが馴染めるシンプルさだ。

 大きな変更点は、マイルという概念をなくしてポイントに一本化したこと。また、ステージ制度を撤廃したこと。さらに、リセットという概念をやめて永続的にポイントを保有できるようにしたことだ。

「MUJIマイルサービス」と「MUJI GOOD PROGRAM」の違い
「MUJIマイルサービス」と「MUJI GOOD PROGRAM」の違い

 「無印良品の哲学として、『これがいいではなく、これでいい』という表現があります。会員プログラムも、誰にとってもわかりやすく『これでいいよね』と思えるものに仕上げていくという方向でまとめました」(水野氏)

 特に、ステージ制度を撤廃したことは良品計画の姿勢を表す大きな変化だ。

 「『お客様を区分しない』というのは社内の共通の見解です。LTVを上げていきたいことに間違いありませんが、一人ひとりのライフスタイルが異なる中で、お客様を区分して誘導していくというのは方向性が合わないと考え、ステージ撤廃に踏み切りました」(水野氏)

 ポイント付与の条件も拡充され、購買はもちろん、商品のお気に入り登録、記事閲覧、リサイクル回収への参加など、さまざまなサービス接点でポイントが貯まるようになった。

 もう一つ、「1ポイントから寄付」ができる点も特長だ。

 「これまで社会貢献に関心がなかった方でも、気軽に寄付をする、その一歩を後押しする形でチャレンジしました」(水野氏)

 実際に寄付を体験したという高橋氏も「一歩後押しがあったので初めての寄付をした。本当にスムーズに寄付ができた」と、そのUIや手軽さを実感したと語る。

想定を上回る店舗外利用や寄付人数を実現

 リニューアル後の反響は想定を大きく上回るものだったという。会員プログラムがわかりやすくなったという声が顧客や店舗スタッフから多く届いた。

 「お客様に説明しやすいプログラムなので、業務効率の向上にもつながっています。わかりやすさは非常に大事だと実感しました」(水野氏)

 懸念されていたメールアドレス登録も、店舗の協力と理解もあってスムーズに進み、KPIを大きく上回る結果となっている。会員証とメディアを統合したUIの効果もあり、来店前にアプリを使うお客様も大きく増加し、記事閲覧数は過去最大を記録しているという。

 ポイント寄付については、もともとネットストアで現金寄付機能を提供していたが、その年間の寄付人数を3日間で達成するほどのペースで伸長した。寄付総額ではなく寄付人数を追う理由は、顧客の行動変容がESGの民主化につながるとの考えがある。

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この記事の著者

落合 真彩(オチアイ マアヤ)

教育系企業を経て、2016年よりフリーランスのライターに。Webメディアから紙書籍まで媒体問わず、マーケティング、広報、テクノロジー、経営者インタビューなど、ビジネス領域を中心に幅広く執筆。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:adjust株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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2026/01/22 11:00 https://markezine.jp/article/detail/50179

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